陸上養殖で育てられている高級魚「シロアマダイ」の稚魚=山口県長門市で2026年11月5日午後2時37分、松尾雅也撮影 山口県は、回転ずし大手「スシロー」の親会社「FOOD&LIFE COMPANIES」(フード&ライフカンパニーズ、F&LC)=大阪府吹田市=などと連携し、「幻の高級魚」とも呼ばれるシロアマダイの陸上養殖に全国で初めて乗り出した。2028年中に事業を軌道に乗せ、スシロー店舗での販売を目指す。 県などによると、シロアマダイは太平洋沿岸や瀬戸内海などで、はえ縄漁によって水揚げされる白身魚。上品な脂が特徴で、大型のものは体長約60センチになる。天然ものは漁獲量が極めて少なく、市場では1匹10万円を超えることもあるという。Advertisement「幻の高級魚」と呼ばれ、人口ふ化に成功したシロアマダイの稚魚=県水産研究センター提供 県水産研究センターは19年度に全国で初めて天然魚から採卵した人工種苗の大量生産に成功した。今回は、県とF&LC、養殖場を運営する安藤建設(長門市)などが共同事業体のコンソーシアムを発足し、種苗供給▽養殖▽出荷▽商品化――を一体的に担うことになった。 5日は長門市仙崎にある陸上養殖場が報道関係者に公開された。屋内に設けられた水槽は直径6・5メートルの円形(水量30トン)で、体長約20センチ(約70グラム)の稚魚約1500匹が円を描くように泳ぐ。 シロアマダイは高水温に弱いため、冷却装置で海水温をコントロールしている。自動給餌器で常時、餌を与えることで、約2年で出荷サイズの体長約40センチ(約500グラム)に育つという。シロアマダイの水槽が設置されている陸上養殖場=山口県長門市で2026年11月5日午後2時47分、松尾雅也撮影 これまで県特産のトラフグの陸上養殖を手掛けてきた安藤建設の安藤雄紀・常務取締役は「安定的に供給できるようにシロアマダイをしっかりと育て、知名度を上げたい」と新たな特産品に向けた意気込みを語った。 F&LCの荒谷和男・上席執行役員は「貴重な魚で、一人でも多くのお客様に届けられるように期待している。皮目をあぶって試食すると、皮と白身の間の脂に上品な甘さがあっておいしかった」と話した。【松尾雅也、藤田宰司】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。