丁寧に作業を進める「Rashiku」の利用者=青森県弘前市で2026年7月23日、西夏生撮影 城下町の青森県弘前(ひろさき)市は7月下旬、扇形の山車灯籠(とうろう)が市街地を巡る夏祭り「弘前ねぷた」を控え、高揚感に包まれていた。 街の騒がしさをよそに、大通りから1本路地に入った建物の一室では、40人ほどの老若男女が作業台に向かって黙々と手作業をしていた。脇では祭りのシンボルでもある、金魚の形のちょうちん「金魚ねぷた」がデザインされた紙の小箱などが次々と完成していった。全2回の前編です。後編へのリンクは文末にいつ来ても、いつ帰ってもいい ここは、不安や問題を抱えている人が働ける作業場「Rashiku(らしく)」だ。人間関係を築くことや集団で行動することが苦手な人たち、育児や介護など制約を抱えている人たちが一歩踏み出すことができるよう、希望者は原則として誰でも受け入れている。 開所時間は、平日の午前10時~午後3時。利用の登録をすれば、いつ来ても、いつ帰ってもいい。休みの連絡も必要ない。 運営するのは弘前市で包装用品などを製造、販売する小林紙工。久保良太社長(49)は「作業台の間には仕切りがあるので、周りを気にせず作業ができます。ノルマはなく、疲れたら和室で休んでもらっています」と説明する。 作業の内容は日によって異なる。ダイレクトメールを封筒に入れる単純な作業もあれば、精密機器の包装箱で、複雑な組み立てが求められるものもある。雇用形態は請負契約で、工賃は作業や組み立て一つにつき15~200円程度。登録者には前日までにLINE(ライン)で作業の内容を知らせて、選べるようにしている。 毎日来る人、月数回通う人、介護や育児の空き時間に数時間だけ作業する人など、働き方は…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【次の記事】いつでも帰れる場所はありますか 自由な働き方で人生を変える【前の記事】中国で急拡大した「AI故人」 対照的な日本で起きた変化とは関連記事