世界の地質遺産100選に千葉県沖 「富士山二つ分沈む超深海」

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房総沖海溝三重点の深海の崖に群生するイソギンチャクやウミユリ=アラン・ジェイミソン西オーストラリア大教授提供 国際学会「国際地質科学連合(IUGS)」は6日、世界の「地質遺産100選」を発表した。新たに認定された100地点のうち、千葉県沖など日本周辺の4カ所を含む深海底6地点が選ばれた。海域からの選出は初めて。地質学上の重要性を評価することで、近年活発化する海底鉱物資源の探査・開発をけん制する狙いもあるとみられる。 地質遺産は、IUGSが国連教育科学文化機関(ユネスコ)などと連携して2年ごとに認定しており、今年で3回目。地質学の発展に貢献した学術研究の対象となるなど、地球とその歴史を理解する上で象徴的な場所を専門家が選ぶ。Advertisement海域からの選出は初 過去2回の計200地点は全て陸域のジオパークや国立公園、自然保護区などから選ばれてきた。国内では、世界で初めて地磁気逆転の発見につながった玄武洞(兵庫県)など4カ所がこれまで認定されている。世界の「地質遺産100選」に選ばれた深海底6サイト 今回海域から選ばれたのは①房総沖海溝三重点(千葉・房総沖)②ロドリゲス海嶺(かいれい)三重点(インド洋の公海)③第1鹿島海山(千葉・銚子沖)④ゴジラメガムリオン(フィリピン海の公海)⑤チャレンジャー海淵(かいえん)(ミクロネシア連邦)⑥ガラパゴス諸島沖の熱水噴出孔周辺(エクアドル)――の6地点。いずれも深さ数千~1万メートル以上の深海底だ。世界初のプレートに沈む海山確認 ①と②は三つのプレートの接点で、プレートが沈んだり生まれたりする場所。③は世界で最初に、プレートに沈み込む海山が確認された。④は海底に地下のマントルが露出してドーム状の高まりを形成し、同様の地形の中で地球上最大の面積を誇る。 ⑤はマリアナ海溝の最深部。地球で最も深い深さ約1万1000メートルにある。⑥は世界で初めて見つかった、深海底から熱水が噴き出す場所で、地球生命誕生の謎を解く鍵と期待されている。鉱物資源「採掘一辺倒でなく」インド洋の深海底にいる固有の巻き貝「スケーリーフット」など。ロドリゲス海嶺(かいれい)三重点を形成する海嶺周辺に分布する熱水噴出孔に集まる=海洋研究開発機構提供 ポルトガルで4~6日にあったIUGSの会合に合わせて発表された。会合に参加した東京海洋大の北里洋客員教授(海洋生物地球科学)は「どこも『生きている地球』を感じられる重要かつ壮観な地点。首都圏の目と鼻の先に、富士山二つ分が沈められる9000メートル級の超深海があり、過酷な環境に適応した生物たちがいる」と語った。 近年、貴重な海底鉱物資源を狙って探査や開発が活発化している。だが、例えば今回選ばれたインド洋の深海底周辺には「鉄のウロコ」をまとう珍しい巻き貝、スケーリーフットがいる。北里さんは「採掘一辺倒ではなく、地質景観や生き物たちの保全も考慮した海底開発を検討するなど、脆弱(ぜいじゃく)な地球環境を次世代につなぐ意義を考える機会にしてほしい」と強調した。 今回、日本から世界遺産の富士山(山梨、静岡両県)と、「世界最古のヒスイ」といわれる糸魚川のヒスイを含む岩石が分布する地点(新潟県)も選ばれた。【荒木涼子】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事