真相・ニュースの現場から毎日新聞 2026/5/15 07:00(最終更新 5/15 07:00) 有料記事 2922文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷松沢が株主だと主張した民事裁判に提出した株券(複写)。発行された日付が二重に印字されている。後に有価証券の偽造に当たるとして起訴された=東京都千代田区で2026年5月8日、平川義之撮影 ある日、会社が乗っ取られた。社有の不動産が勝手に売却され、8億円余りが流出した。後に捕まったのは、数々の経済事件で名を知られ、「希代の詐欺師」と呼ばれた人物だった。 そんな事件が、東京の小さな不動産運営会社であった。「会社を舞台にした地面師事件」とも言われている。 「私は、負けたんです」 かつて代表取締役だった上岡義郎(63歳、仮名)はうなだれる。 その人物には民事訴訟で勝訴した。だが、8億円が戻る見込みはない。 手口は巧妙なようで、粗雑でもあった。なのに、なぜ会社を守れなかったのか。今も苦い思いを抱えている。(敬称略)【長屋美乃里】招いていない人物、よどんだ空気 その会社は「ハナマサ」という。 元々はスーパーマーケット「肉のハナマサ」を運営していたが、20年ほど前に業績悪化でスーパー部門は別会社に譲渡。以来、主に保有する不動産の管理・運営を続けてきた。 2009年に一時代表を務めたのが上岡だ。ハナマサの全株式を持ち、その後も経営に関与してきた。 22年12月のよく晴れた日。いつものように上岡が東京・板橋の会社事務所に出向くと、一人の男性が待ち構えていた。 それが松沢泰生(75)だった。 上岡は、以前にも何度か事務所で松沢を見たことがあった。話したことはない。「妙な雰囲気の人」。そんな印象だった。 無視していると、松沢が声を掛けてきた。 「上岡さんが株主っていう証明を見せてよ。俺、前の代表から株券もらっているから」 少しくたびれたシャツにジャケット姿。机を並べた室内に、よどんだ空気が漂った。245億円背任事件の「金庫番」 松沢とは、いったい何者か。 実は、かねて財界を舞台にした事件に度々関与した人物でもある。 政財界を舞台に黒いカネが動いた「東京佐川急便事件」(1992年)では当時の社長、渡辺広康の「金庫番」と呼ばれ、245億円の特別背任罪で懲役5年の実刑判決を受けた。 00年代に入ってからも、会社株式の公開買い付け(TOB)を巡る証券取引法違反事件や、ベンチャー企業の架空増資事件で有罪判決を下されている。 上岡は、そうした松沢の過去は何となく知っていた。だが、いや応なしに向き合うことになる。近づく不穏が現実になった日 上岡は何カ月か前から、会社に不穏が近づくのを感じていたという。 きっかけは22年8月、上岡の後任として長年代表を務めていたAの死去だった。上岡の発案で、取締役だった男性X(65)が新たな代表に就いた。 「その頃から、Xが会社の土地の買い手を方々で探すような動きをし始めたんです。本人は『そんなことしていない』と言うが、何か危ないなと思いました」 ハナマサは埼玉県東松山市に4万平方メートルの土地を持っていた。保有資産の大半がこの土地だった。 12月になり、上岡は不安が現実になったと知る。…この記事は有料記事です。残り1751文字(全文2922文字)【前の記事】京都の事件は「デマが広がる典型例」 専門家が指摘する理由関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>