朝日新聞記事深掘り2026年5月16日 6時00分有料記事二階堂友紀政府法案の閣議決定を前に記者会見する(右から)村山浩昭、鴨志田祐美、田岡直博の各弁護士。法制審議会の部会で委員や幹事を務めた=2026年5月14日午後5時28分、東京・霞が関、二階堂友紀撮影 刑事裁判をやり直す再審制度の見直しに向けた政府の法案が国会に提出され、26日から審議が始まる見通しだ。冤罪(えんざい)被害者を少しでも早く、確実に救える制度になるのか。「証拠開示」「目的外使用」「検察抗告」をめぐり激しい議論が予想され、法案はなお修正される可能性がある。 「閣議決定されて終わりではなく、ここからがスタート」。日本弁護士連合会(日弁連)の鴨志田祐美・再審法改正推進室長は、14日の記者会見でそう語った。 鴨志田氏は、政府法案のもとになる答申をまとめた法制審議会(法相の諮問機関)の部会で委員を務めた。同じくメンバーだった村山浩昭、田岡直博両弁護士と会見し、自民党の審査を経ても残る法案の課題を指摘した。 国会で最大の焦点になりそうなのが、証拠開示の範囲だ。裁判長として袴田巌さんの再審開始決定を出した村山氏も「再審事件では証拠開示が生命線」と述べた。 元被告が無実を訴えて再審請求するには、新証拠の提出が必要だ。ただ、検察や警察がどんな証拠を持っているか、弁護側にはわからない。再審無罪になった重大事件のほとんどで、弁護側が出した新証拠でなく、再審請求後に検察が開示した証拠が決め手となってきた。 ところが、いまの刑事訴訟法には再審手続きに関する証拠開示のルールがない。裁判所が開示を勧告しても、検察に従う義務はなく、開示まで長い年月がかかってきた。袴田さんの場合、再審無罪につながる「5点の衣類のカラー写真」の存在が明かされたのは、初めての再審請求から29年後だった。 法制審の部会では、開示対象を限定する案と幅広くする案が検討され、限定案が採用された。通常の刑事裁判より狭い範囲の開示であるべきだとの考え方からだ。 法制審の答申に基づき、法案では裁判所が検察に証拠の提出を命じることを義務づける。ただ、対象は①再審請求理由との関連性②開示の必要性③開示しても弊害がない――という要件をすべて満たすものだけだ。 問われるのは「関連性」と「必要性」の範囲だ。自民党の審査を経て法案の付則には、提出命令の対象となる証拠の範囲が「不当に狭くならないよう留意しなければならない」と記された。しかし、無罪につながる証拠が埋もれる恐れは払拭(ふっしょく)されていない。 村山氏は「国会で責任ある答弁がなされれば、その後の運用をリードすることになる」と話し、政府の答弁を通して幅広い証拠開示を担保していくべきだと訴えた。 田岡氏は証拠の一覧表の開示が必要だと強調した。法案では証拠リストの対象範囲が限定されるうえ、弁護側は見られず、「ほとんど意味がない」と指摘。「証拠は検察がコントロールしたいという発想のもとにできた法案だ」と批判した。政府法案に基づく証拠開示のイメージ冤罪被害者「再審妨害」と訴え 証拠開示の範囲とともに焦点になりそうなのが、「目的外使用の禁止」規定のあり方だ。 検察が開示した証拠を、再審…この記事を書いた人二階堂友紀東京社会部|法務省担当専門・関心分野法と政治と社会 人権 多様性関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ5月16日 (土)サッカー日本代表26人が決定店のBGM 歌手らにも使用料を作家の佐藤愛子さん死去5月15日 (金)米中首脳が北京で会談ホンダ、上場後初の赤字自転車「傘立て」存亡の危機5月14日 (木)ニデック 品質面で不適切行為再審見直し法案 今国会提出へフィギュア坂本花織 引退会見5月13日 (水)フジテレビ親会社が初の赤字ポテトチップスの袋を白黒に続き柄欄 男女のみ「是正を」トップニューストップページへ再審法案、問われる証拠開示ルール 国会審議の焦点、修正の可能性も6:00強盗殺人に関与か、神奈川在住の16歳少年を新たに逮捕 栃木県警4:33蓮舫氏が敗れる波乱、不満が噴出した立憲都連会長選 中道惨敗の余波21:30「序列」で計れない39歳長友のW杯招集 「国の総合力が問われる」19:35米中は「不安定な安定」へ 東西冷戦が教える「デタント」のもろさ6:00「黄金のペットボトル」が高速道の清掃で次々と 「なくならない」17:00