再審見直し法案、議論の舞台は国会に 袴田秀子さんらの不安と期待

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朝日新聞記事深掘り2026年5月15日 13時00分山本達洋 荻原千明会場の参加者にあいさつする袴田巌さんと姉の秀子さん=2026年5月3日、静岡県袋井市、山本達洋撮影 冤罪(えんざい)被害の救済のため、刑事裁判をやり直す再審制度の見直しに向け、政府が15日に刑事訴訟法の改正案を閣議決定した。冤罪で人生を狂わされた被害者らは、今後の国会の議論にどんなことを期待しているのか。 再審見直し議論の大きなきっかけは、1966年に静岡県で起きた一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(90)が、2024年に再審無罪となったことだった。姉の秀子さん(93)は14日、報道陣の取材に「私の希望は(検察の)抗告の全面禁止と、全面的な証拠開示」と話した。 政府の改正案が検察の抗告を原則禁止とした点は「ようやくここまで来た。多少は前に進んだが、最終的には全面禁止にするべきだ」と求めた。 今後の国会審議に対し「抗告を全面禁止にしなかったように、法務省は自分たちに都合良く抜け道を作ろうとする。どこまでできるかは分からないが、そういった抜け道ができないよう国会議員には議論してほしい」と注文した。 巌さんは逮捕から48年にわたり身体拘束が続いた。静岡地裁が14年に再審開始と釈放を決めたが、検察が高裁に即時抗告をしたことで審理が長びいた。無罪が最終的に確定したのは10年後の24年だった。 秀子さんは「(検察が)やたら抗告して、犯罪者としての烙印を押されたまま放っておかれた」と批判。「その間、国は何をしていたのか。法律は神様が作ったものではなく、人間が作ったもの。直せないことはない」と述べた。 捜査機関が保管する証拠の開示については、「証拠が出てきたからこそ巌は無罪になった。出されなければ、今ごろ処刑されてしまっているかもしれない。良い証拠も悪い証拠も全部出して、それで裁判をやらないと」と語った。 支援者らによると、巌さんは14日も日課のドライブを楽しんだ。食欲もあり、朝食にはキウイやイチゴなど、果物を好んで食べている。散歩に出かけることもあるという。 秀子さんは、長年の身体拘束で精神を病んだ巌さんについて「元気ですよ」としつつ、「本人はまだ妄想の世界にいる。無罪になったということ以外の話は一切していない」と明かした。 福井市で1986年に起きた女子中学生殺害事件で昨夏、再審無罪となった前川彰司さん(61)は、証拠開示に関する規定について「希望のともしびがともったとはいえ(範囲が)『限定的』と言える」と懸念した。 「証拠開示や、開示証拠の目的外使用の禁止で罰則まで設けることについて、国会議員のみなさんが思いの丈をぶつける闊達(かったつ)な議論を期待したい」 検察官の抗告の要件が、法案の本体にあたる「本則」で厳格化されることについては、前川さんは「冤罪犠牲者の早期救済を目指して全面禁止を訴えてきたので、本意ではない」「本則に入ったことをもって無辜(むこ)の救済が果たされたかというと、とんでもない話」と語った。 前川さんの再審無罪をめぐっては、名古屋高検が、裁判に関わった検察官らへの聞き取りなどの調査を進め、結果を公表する予定だ。この記事を書いた人山本達洋静岡総局|県警キャップ専門・関心分野平和、国際、朝鮮半島情勢関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ5月15日 (金)米中首脳が北京で会談ホンダ、上場後初の赤字自転車「傘立て」存亡の危機5月14日 (木)ニデック 品質面で不適切行為再審見直し法案 今国会提出へフィギュア坂本花織 引退会見5月13日 (水)フジテレビ親会社が初の赤字ポテトチップスの袋を白黒に続き柄欄 男女のみ「是正を」5月12日 (火)「他候補を中傷投稿」を否定皇族数確保策、見解出そろう磐越道事故で2度目の会見トップニューストップページへ「本が売れて、何がめでたい」 佐藤愛子さん死去、怒りが原動力に11:15八田與一容疑者へ賠償請求、控訴審が即日結審 法廷に姿見せないまま12:30YOASOBI、藤井風…著作権法の改正へ、潮目を変えた海外ヒット9:15またカラスが原因か、東北・上越・北陸新幹線が一時見合わせ 大宮駅12:21「鉄人」も認めた味、高校生と道場六三郎さんが作ったサバ缶が販売へ12:00「捜査中」でも散歩に見える 警察犬ポメラニアン、見いだされた才能9:30