住民の1割が消えた 「ピカの村」で受け継がれる記憶と恵み

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ストーリー 武市智菜実毎日新聞 2026/7/5 13:01(最終更新 7/5 13:01) 有料記事 3380文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷川内地区の月命日法要で、仏壇に手を合わせる浄行寺の坂山厚住職(左端)と地区の住民ら=広島市で2025年12月6日、佐藤賢二郎撮影 2025年12月6日、私(記者)は広島市安佐南区の川内地区にある集会所に向かった。 穏やかな冬晴れの空の下、青々とした広島菜の畑が広がる。集会所は畑の近くに造成された住宅地にあった。車1台がやっと通れるほどの細い道が入り組み、農村の名残を感じさせる。全2回の後編です。前編はこちら 「泣いてもおれん」 日本三大漬け菜「広島菜」産地を襲った地獄 年季の入った引き戸を開けると、8畳ほどの部屋の奥に仏壇があった。「今日もようお参りくださいました。南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)。南無阿弥陀仏」。近くにある浄行寺(じょうぎょうじ)の坂山厚住職(77)が読経を始めると、パイプ椅子に腰掛けた10人ほどの高齢者たちが手を合わせた。毎月6日に集会所で営まれる恒例の法要だ。作業は「とにかくやねこい」 1945年8月6日、広島市の上空約600メートルで爆発した原爆。市中心部で建物疎開の作業に当たっていた川内村(現在の川内地区)の国民義勇隊約200人は全滅した。当時の村の人口の1割にあたる。戦後まもなく、地区では月命日に追悼の法要が営まれるようになった。今も多いときは10人以上の遺族が集い、犠牲者を悼む。 法要が終わると、お互いの近況を語り合い、よもやま話に花が咲いた。 「川内は昔、全部真っ青よ。畑があちこちにえっと(広島弁で『たくさん』の意味)あって広島菜をつくりよった。今は変わったもんじゃなあ」 そう話す西本清子さん(90)は戦後、23歳の時に夫の盛夫(もりお)さん(故人)と結婚して川内地区に来た。盛夫さんは、義勇隊だった父の常造さんを原爆で亡くしていた。 夫婦は、盛夫さんの母セツコさん(故人)とともに広島菜づくりに取り組んだ。「秋は全部、広島菜だった。畑には朝早う、4時半ごろから出て、明るくなるのを待って仕事にかかりよった」 大変だったのは、人のふん尿を肥料にした「下肥(しもごえ)」を畑まで運んで、まく作業だった。時には10キロ以上離れた地域まで行って、野菜と交換で下肥を手に入れ、それをおけに入れて手車で運んだ。「お父さん(盛夫さん)が下肥を持って帰って、私が畑にまくのをせにゃいけんけえ。やねこい(『しんどい』の意味)、とにかくやねこい」 収穫期には、畑で取れた広島菜を加工場に毎日運んだ。 「わらで4株ずつ結わえてね、抱えて歩くの。結わえるのも運ぶのも大変よね。ようやりよった。ひざで挟んでやるけえね、ここがばかになってしもうた」 西本さんが太ももを指さして笑うと、隣に座っていた切戸ヨシヱさん(90)が「ようやったね、あなたもようやったよ」と相づちを打った。 切戸さんも義勇隊だった父の正登さんを原爆で亡くした。戦後、母のヤヱさん(故人)がまだ幼かった切戸さんと妹を一人で育てた。「元気に畑でやりよった。おかげで(私は)高校を出てすぐ和裁を習ったん」と母の苦労をしのぶ。 月命日の法要には、この日を含めて5回以上、お邪魔した。遺族たちは毎回、お経を上げて手を合わせ、近況を報告し合う。それが80年もの間、ずっと続いてきた。子どもを背負って畑へ 爆心地から遠い広島市郊外にありながら原爆で多くの住民が命を落とした「ピカの村」。ここで夫を亡くした女性たちの半生がまとめられた書籍「原爆に夫を奪われて」には私が法要で出会った人々の、今は亡き親たちの証言も収めら…この記事は有料記事です。残り1994文字(全文3380文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>