オンラインの森:リアルな手術場面に衝撃! 「ダウンタイム」が迫る美容整形の実情と本音

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「ダウンタイム」Netflixで独占配信中 美容整形業界が舞台のヒューマンドラマ、Netflixシリーズ「ダウンタイム」が独占配信中だ。 天才的なオペ技術を持つ外科医の沼田文(松岡茉優)の信条は「医療で命を救う」。一方、カリスマ美容外科医の遠山凜(仲里依紗)は、「美で人を救う」が信条だ。「美」と「医療」に対する価値観が大きく異なる2人はある事件を機に出会い、激しく対立する。 だが、互いに影響を与え合い、医師として、人として、ネクストステージへと進化していく。「なぜそこまで?」という人にこそ 美容整形に対する筆者(須永)のスタンスは、「自分自身のために自分の意思で決めるなら、してもいいと思う」という消極的な肯定派だった。この「してもいい」という言い回しから、「本来はすべきではない」という上から目線の本音が透けている。Advertisement「ダウンタイム」Netflixで独占配信中 ここで少々長いが、脚本を手がけた池上純哉の本作に対するコメントを引用したい。 「もし自分の娘に『整形したい』と言われたら『やればいい』と思います。でも、激しく整形をしている方を街で見かけると『なぜそこまで?』と思ってしまう自分がいる。それぞれに悩んだ末に作った顔だということは、頭ではわかっているのに。自分のような人が、新しい価値観を受け入れられるようになっていく話を作りたいと思いました」 この「自分のような人」に、まさに筆者も当てはまる。縦軸に2人の医師、横軸の患者たち 全8話の大まかな枠組みは、医療系連続ドラマの王道に倣っている。文と凜の関係性の変化が縦軸となり、エピソードごとに描かれる患者たちの人生が横軸になっている。「ダウンタイム」Netflixで独占配信中 注目ポイントはやはり、Netflixだから表現できる手術シーンのリアリティーだろう。 監督のYuki Saitoは地上波ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」において、医療シーンとヒューマンドラマの双方において高い評価を受けている。本作では「徹底したリアリティー路線とその実現」を目指し、演出でやりたいことと現実の医療現場が一致しない場合は、リアリティーを判断基準にしたという。 その結果、視聴者はかなりショッキングなシーンを目の当たりにすることになる。「ダウンタイム」Netflixで独占配信中シリコン摘出、フェースリフト 第1話冒頭の手術シーンでは、手術室に救急搬送された女性患者の胸部全体が真上から映し出される。そのショットに動揺する自分がいた。彼女の胸に入っていたシリコンを文が摘出するカットは、直視できない人もいるだろう。 別の話では、フェースリフトをするために頰の表皮をめくり、そこに糸を入れていく手術シーンを再現した。こめかみ部分に触れるたびに、まぶたがわずかにピクッとする芸の細かさに、思わず感嘆の声が出た。「ダウンタイム」Netflixで独占配信中 人間の肉体から目をそらさずに、過酷な手術シーンをビジュアル化することで、こんなにも大変な手術にリスクをとり、大金も払う患者たちの、決意や覚悟の重さが体感で伝わってくる。 しかもこの作品はタイトル通り、術後のダウンタイムの経過もしっかりと見せていく。これらは“衝撃映像”というアクセサリーでもファッションでもなく、患者たちと、彼らに向き合い続ける医師たちの人生を立体化するために必要不可欠なものなのだ。価値観は人それぞれ 患者を演じるのは、研ナオコ、野呂佳代、安達祐実、風間俊介、Koki,らだ。「ダウンタイム」Netflixで独占配信中 声優のオーディションに受かるための整形手術、末期がん患者の「死ぬ前に美しくなりたい」という願いをかなえる全身整形手術、女性器形成手術、醜形恐怖症や整形依存症、再生回数を上げたいキッズYouTuber、都知事選出馬のための若返りなど、手術の種類もその目的も十人十色である。 そこに共通するのは「自分を変えたい」「変えることで『何か』を手に入れたい」というモチベーション。その「何か」の価値は人それぞれだ。「ダウンタイム」Netflixで独占配信中 美容整形を見下していた文は、凜が「美で人を救う」実例を間近で目撃し、人の価値観を周りが否定することはとても傲慢な行為だということを学んでいく。筆者もしかり。悪人ほど魅力的 本作は、全てのキャラクターが抱える事情や欲望、心の葛藤が丁寧に描写されているため、共感(なんてものは不要だが)できない人物がいたとしても、理解はできる。「ダウンタイム」Netflixで独占配信中 だが、ただ一人、最後までつかみきれない人物がいた。それは凜の父親、遠山新(渡部篤郎)だ。 「神の手」の持ち主として美容整形業界に君臨していた新は、凜を神の手の後継者に指名し、第一線を退いた。以後も会長として絶大な力を持ち続け、凜と文の人生を激しく翻弄(ほんろう)する。 渡部の演技が非常に穏やかで紳士的だからか、初見ではスルーしてしまったが、その行為を冷静に振り返ると、この人物はかなりのサイコパスもしくはモンスター。絶大な権力を手にした悪人ほど人当たりがよく魅力的である、というキャラクター造形もまた、本作に忍ばせたリアリティーなのかもしれない。(須永貴子)Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「過激描写変えぬ」日本上陸ホッケー選手の同性愛ドラマ 大ヒットの舞台裏関連記事【最新記事】