Windows on Armは長らく、Qualcomm Snapdragonを中心とした内蔵GPU頼りのプラットフォームとして発展してきました。外部GPU、特にNVIDIA GeForce RTXシリーズは、Arm64向けのネイティブドライバーが存在しないという理由から、事実上「動かないもの」とされてきました。しかし今回、開発者VoidTech氏は、本来デスクトップ向けGeForce向けではないRTX Spark用Arm64ドライバーを改造し、GeForce RTX 4060をARM版Windows 11上で起動させることに成功したのです。これまでの前提を覆す技術的チャレンジとして注目を集めています。Sparkドライバーを流用してGeForceを動かすという発想突破口となったのは、NVIDIAが今年発表したArm版Windows向けプラットフォーム「RTX Spark」です。Spark搭載PCはまだ発売前ですが、Arm64ネイティブのドライバーだけは先行公開されています。VoidTech氏はこのドライバーを解析し、デバイスIDを書き換えることでRTX 4060をSpark GPUとして認識させることに成功しました。その結果、単にGPUが検出されただけでなく、以下の機能が実際に有効化されています。DirectX 12VulkanCUDAWindows上ではWHQL認証済みのように表示されますが、もちろんこれは公式の認証ではありません。あくまで「Sparkドライバーを流用した結果そう見えている」だけです。実験環境が示す現実的な可能性VoidTech氏が使用したのはHuawei Qingyun W510ワークステーション。24コアのKunpeng 920 Arm CPUと32GB DDR4 RAMを搭載した比較的高性能なArmマシンです。ここにRTX 4060(8GB VRAM)を接続し、改造ドライバーを適用することで、Windows 11 Armがデスクトップ向けGeForceを扱える状態になりました。この構成は一般ユーザー向けとは言えませんが、「Arm64ネイティブドライバーさえあればGeForceは動く」という事実を示した点で大きな意味があります。Windows on Armは2026年以降、Microsoftが本格的に普及を推し進めている領域であり、NVIDIAもRTX Sparkを通じて参入を強めています。今回の事例は、Arm版Windowsでも外部GPUが本格的に使える可能性があり、NVIDIAが将来的にGeForce向けArmドライバーを提供する余地も残されていることを示唆しています。まとめ:まだ実用段階ではないが、技術的インパクトは大きい今回の実装はあくまで非公式で、一般ユーザーが再現できるものではありません。しかし、Arm64ネイティブドライバーの存在がGeForce RTXをArm Windowsで動かす鍵であることを証明した意義は大きいと考えられます。NVIDIAのGPUが重要性を増す中、Arm版Windowsの新しい可能性が示されました。[via Wccftech]