最高裁判所=東京都千代田区隼町で、本橋和夫撮影 確定死刑囚が自ら起こした民事訴訟への出廷を認めなかった拘置所の対応の違法性が争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は30日、出廷制限を「適法」とする判決を言い渡した。出廷制限は裁判を受ける権利を保障した憲法32条との関係で問題となるが、小法廷は死刑囚の出廷は特に必要な場合でなければ制約されるとの初判断を示した。裁判官4人全員一致の意見。 2審・名古屋高裁判決(2024年9月)は出廷を認めなかった拘置所の判断を違憲・違法と判断し、国に11万円の賠償を命じたが、小法廷は国の敗訴部分を破棄した。死刑囚の全面敗訴が確定した。Advertisement 原告は1998年に三重県でフィリピン人女性2人を殺害したとして死刑が確定した森本(旧姓・沢本)信之死刑囚(72)。今回とは別の自身が原告の民事訴訟に出廷して証人に直接質問しようとしたが、名古屋拘置所が認めなかったため国に計約130万円の賠償を求めた。 小法廷は、死刑囚を外部に連れ出せば心情の安定などに重大な影響が生じる可能性が高い上、警備上の問題も踏まえれば出廷は特に必要な場合に限られるとした。その上で、今回のケースは死刑囚本人に代わり代理人弁護士や裁判官が尋問できたとし、拘置所の対応は適法だと判断した。【安元久美子】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。