米商務省の庁舎=2024年2月14日、秋山信一撮影 米商務省が29日発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、年率換算で前期比3・4%増だった。伸び率は前期(2・2%増)から拡大し、ロイター通信がまとめた市場予想(3・2%増)を上回った。人工知能(AI)関連投資と堅調な個人消費が寄与した。 ただ、好調な景気はかえって物価上昇(インフレ)圧力を強める可能性がある。米連邦準備制度理事会(FRB)が次回12月会合で追加利上げに踏み込むかが焦点となる。Advertisement GDPの内訳では、企業の設備投資が前期比12・7%増で、4~6月期の9・0%増から加速した。伸び率は2020年以来6年ぶりの高水準だった。コンピューターなどの情報処理機器が37・4%増で、AI開発に欠かせないデータセンター建設投資の旺盛ぶりを示した。 GDPの7割近くを占める個人消費は3・8%増だった。伸び率は前期から横ばいだが、AIブームに伴う株高基調で資産を増やした高所得世帯がけん引。堅調な雇用情勢も下支えした。 ただ、高騰するガソリンは3・1%減と2四半期連続のマイナスで、節約志向の広がりも示した。所得に占める個人貯蓄の比率は4年ぶりの低水準。賃金の上昇が物価の伸びに追いついていないため、多くの消費者が貯蓄を取り崩して支出に充てる実態を浮き彫りにした。 FRBはインフレ抑制に向け、9月に3年2カ月ぶりの利上げに踏み切ったが、10月28日の会合では追加利上げを見送った。利上げは景気を冷やしかねない懸念があるが、今回の好調なGDPは、そうした悪影響を吸収できる余地を残したとも言えるだけに、12月の追加利上げを後押しする可能性もありそうだ。【ワシントン浅川大樹】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。