(左から)旭洋造船の越智勝彦会長、JERAの奥田久栄社長、日本郵船の曽我貴也社長、川崎汽船の五十嵐武宣社長、新来島どっくの森克司社長、今治造船の檜垣幸人社長、日本シップヤードの檜垣清志社長=東京都港区で2026年10月27日午前11時34分、中島昭浩撮影 今治造船と日本郵船、電力大手JERAなど7社は27日、次世代アンモニア燃料船の建造や運航などで連携すると発表した。2030年末までに自動車運搬船4隻と燃料補給船を建造する。船舶同士で燃料を供給する仕組みも導入する。気候変動問題が深刻化する中、アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない点が注目されており、多業種にまたがって普及を後押しする。 アンモニアを燃料とする大型の自動車運搬船建造は初めて。日本郵船が自動車運搬船建造で世界最大手の新来島どっくに2隻、川崎汽船が今治造船とそのグループ会社の日本シップヤードに2隻発注する。基本設計は新来島どっくが担い、仕様は各社で検討し共通化するという。Advertisement また、旭洋造船がアンモニアを補給できる船を建造。日本郵船がこれを保有・運航し、海上で自動車運搬船に横付けし、燃料を供給する「シップ・トゥー・シップ」の仕組みを構築する。 JERAはインドから再生可能エネルギー由来のアンモニアを調達し、同社の碧南火力発電所(愛知県)から供給する。 船舶燃料は安価な重油が主流だが、CO2の排出量を抑えることが課題となっている。アンモニアを燃料とするタグボートの実証試験を終えている日本郵船の曽我貴也社長によると、アンモニアは水素などに比べ、大型船向けに大量生産できる可能性が大きく、コスト低減への期待もあるという。 政府は国内造船業の再生を戦略17分野の一つに掲げている。1兆円規模の官民投資を目指し、政府は基金から10年間で3500億円を支援する方針だが、事業者側は今回は支援申請を見送ったという。 今治造船の檜垣幸人社長は記者会見で、造船業界で中国と韓国勢の存在感が高まっていることに危機感を示した上で、「技術、経験、知見を持ち寄り、次の時代の船を日本から生み出していくことが重要だ」と述べた。【中島昭浩】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。