教育のいま:転勤族の妻から東大研究者に 元専業主婦を動かした子育ての疑問

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学習院大学文学部教授、東京大学名誉教授の秋田喜代美さん=本人提供 「抱き癖がつく」「子どもは泣くことが運動。たくさん泣かせたほうがよく寝る」--。子育てをしていると誰もが一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。 学習院大教授で東京大名誉教授の秋田喜代美さんは、かつてそんな言葉に疑問を感じて専業主婦から研究の道に進んだ。その過程で気づいたこととは。【聞き手・井川加菜美】 ――大学卒業後、銀行員を経て専業主婦を経験されました。 ◆社会人類学者の中根千枝さん(2021年に94歳で死去)の本を読み、中根さんがいた東大で文科3類に入学しました。 しかし、どこか「大学に入ること」が目標になっているところがありました。いざ入学すると難しい授業も多く、学問の専門性が自分の思い描いていたものと違っていました。 一方で、漠然と「結婚したい」という気持ちがありました。単位は取りましたが、興味があるというわけでもないまま、4年間を過ごしました。 就職も「9時から5時」で終わる職場がいいなと思い、富士銀行(当時)を選びました。「丸の内OL」のような華やかなイメージを持っていたのです。女性も男性と変わらず働いてもらおうという機運が高まる中で、人事部研修課に配属されました。当時は男性社員が担っていた融資や為替を含めた研修を考える部署で、女性は私一人でした。 入社前の懇親の場で、採用に関して感じたことを聞かれたことがありました。何を言ってもいいとのことだったので、私はこう話しました。 「『男女で同じような仕事をする』と言いながら、女子大生に…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「選んで損の高校」が6年ぶりに定員割れ挽回 カギは身近な財産