警察庁や国家公安委員会などが入った中央合同庁舎第2号館=東京都千代田区で2022年8月25日午後2時38分、北山夏帆撮影 神奈川県警の警察署で、失効した運転免許証が公安捜査を担う警備部門の情報収集に不正流用されていた問題を巡り、西日本の県警に勤めていた元捜査員が毎日新聞の取材に応じ、「警備・公安警察の手法として自分たちもやっていた」と証言した。この問題は目的外利用を原則禁じた個人情報保護法に抵触する恐れがあり、不正は複数の警察に及ぶ可能性が浮上した。全国の都道府県警で一斉調査 神奈川県警での問題発覚を受け、警察庁は9月に「調査・指導チーム」を設置。全国の都道府県警で同じ取り扱いがないか、一斉調査を進めている。Advertisement この問題では、神奈川県警港北署が更新時にドライバーから回収した失効免許証について、交通課員が警備課員に引き渡していたことが発覚。警備部門では、過激派や活動家ら監視対象者の免許証を抜き出し、顔写真などをデータベースに追加していた。30年前から常態化していた疑いがある。「当たり前にやっていた」 毎日新聞の取材に応じた元捜査員は警備部門で勤務。元捜査員によると、西日本の警察署では少なくとも十数年前には、交通課員が失効免許証を束にして保管。定期的に警備部門の署員が回収し、監視対象者が含まれていないか一枚ずつ調べていた。対象者の場合はファイリングし、対象外の免許証は裁断して廃棄していたという。 元捜査員は「失効免許証の写真で対象者の顔を把握するのが目的で、当たり前にやっていた」と証言した。過激派や右翼、公職者も含めたさまざまな対象者の失効免許証を持っていたとも明らかにした。警察庁「穴を開けて返却」が原則 個人情報保護法は行政機関が得た情報の目的外利用を原則禁止し、内部利用できるのは業務遂行に「相当な理由」がある場合に限っている。一方、刑事訴訟法に基づく正規の手続きであれば、免許証のデータは使用できる。 失効免許証については、都道府県警ごとに対応にばらつきがあった。警察が回収したり、ドライバーに返却したりしていたため、警察庁は「穴を開けて返却」が原則とする通達を出している。Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事