舞台「聖地X」に主演する桐谷健太さん=大阪市福島区で2026年10月7日、加古信志撮影 俳優、桐谷健太さんがこの秋、5年ぶりの舞台に挑む。 熱くて真っすぐ。そして、サービス精神旺盛。そんなイメージの桐谷さんだが、舞台に対しては意外にも「恐怖心や緊張感の方が強かった」。 前作は新型コロナウイルス禍のなかでの出演。マスクやフェースシールドを皆が着けていた稽古(けいこ)場や、穴を開けられないという切迫感が大きかった本番が強く記憶に残り、怖さが増幅したという。 11月5日に東京・PARCO劇場で幕が開く「聖地X」で、田舎町の実家に住み、親の遺産で悠々自適に暮らす主人公・山田輝夫を演じる。 「今回も怖さはあるが、主人公の輝夫を生きればいいと思えた」 心境が変化したきっかけは何だったのだろう。取材にもやはり熱く真っすぐに応えてくれる桐谷さんに聞いた。「桐谷さんなら絶対面白く言うぞ」 「聖地X」は、劇団イキウメやカタルシツを主宰する作家・演出家、前川知大さんの名作SFコメディー。2015年に初演され、21年には映画化もされた。 田舎町で暮らす輝夫(桐谷さん)のもとに、夫の滋(浜田信也さん)と別居した妹の要(和希そらさん)が戻ってくる。やがて滋がやって来るが、なんと滋は同じ時間に東京にも存在していた。ドッペルゲンガーの謎を調べ始めた輝夫は過去の奇妙な事件を知る――。 「ちょっぴり怖さもあるが、日常会話が面白おかしく、くすっと笑えるところもちりばめられていて、現実にあり得るなと感じる作品です」と桐谷さん。 前川さんからは「輝夫は桐谷さんの持つ陽のエネルギーに絶対ハマる」と稽古前から太鼓判を押されていたという。11年ぶりの再演にあたり、台本は今の時代に合わせて修正されたが、輝夫のセリフはほぼ修正なしだった。 「前川さんから、桐谷さんならこのセリフを絶対面白く言うぞ、だからこのままでいけると思った、と言われた。同じ役でも演者次第で違う魅力になる。その可能性を僕に感じてくださったことに喜びを感じました」 自身も「自由でマイペースで好奇心旺盛。興味を持ったことには面白半分どころか、面白全部でどんどん首を突っ込んでいく」という主人公、輝夫に共感を覚えたと語る。体中から「ぶわっと」出てきた気持ち 怖さの…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事