第102回大会で優勝を決めて喜ぶ日体大の選手たち。喜怒哀楽が前面に出るのは学生相撲の特色だ=東京・両国国技館で2024年11月3日、猪飼健史撮影 3年半以上、満員御礼が続く大相撲。ブームの高まりとともに本場所観戦のハードルは上がっている。しかし、それに準じるレベルの熱戦が繰り広げられる相撲大会が毎年開催されている。両国国技館で31日から2日間にわたり開かれる「第104回全国学生相撲選手権」(毎日新聞社・日本相撲連盟など主催、大正製薬・伊藤園協賛)=以下、選手権=だ。例年、大相撲に勝るとも劣らない熱気の中で、相撲界の次世代を担うスターが多く登場し、チケットも安価で手に入るこの大会の魅力を、角界の第一線で活躍する学生相撲出身の現役力士たちに聞いた。【大村健一】全日本相撲選手権大会で優勝し、「アマチュア横綱」に輝いた日体大の中村泰輝選手(現横綱・大の里)。学生相撲の選手らしく花道でチームメートに胴上げをされた=両国国技館で2021年12月5日、小出洋平撮影 「アマチュアでやってきて、一発本番はそれなりに自信あるので。(自分でも)びっくりするほど集中できていました」Advertisement 日体大出身で、9月の秋場所で6回目の優勝を果たした横綱・大の里は、千秋楽の結びの一番で安青錦との相星決戦を制した後、こう語った。 「一発本番」は、学生相撲ならではの魅力でもある。大の里自身も2019年の第97回選手権で個人戦を制し、「学生横綱」の称号を得た。1場所15日間で争う大相撲と違い、学生相撲は個人戦も団体戦もトーナメントで栄冠を競う大会が大半を占める。「負けたら終わり」の勝負に挑む学生力士たちの熱戦は、大相撲とは違った魅力がある。チームメートに声援を送る拓大の五島雅治選手(現藤凌駕、手前右)=東京都墨田区の両国国技館で2024年6月9日午後3時38分、大村健一撮影「大相撲に負けないくらいの力士いる」 秋場所で大関戦初勝利を挙げるなど進境著しい拓大出身の藤凌駕は、「目立つのは大相撲だけど、学生相撲にも(大相撲に)負けないくらいの力士がいる」と話す。 自身も一昨年の第102回選手権個人戦で4強入り。昨年春場所、幕下最下位格付け出しで初土俵を踏み、11月8日初日の九州場所は三役目前の西前頭筆頭まで番付を上げた。 大相撲入りした直後から活躍する力士が、例年登場するのも特徴だ。幕下で3場所連続勝ち越し中で、「イケメン力士」として話題を集める大森も、昨年はこの大会に金沢学院大の選手として出場している。大相撲の世界は、横綱・大の里を筆頭に、十両以上の力士の約半数が学生相撲出身。今年も角界の次代を担う力士の登場が期待される。両国国技館=本社ヘリから北山夏帆撮影升席も自由に 学生相撲ならではの場面も 大会は東京と大阪で毎年交互に開催され、今年は国技館が会場。23年3月の春場所から全場所で満員御礼が続く大相撲と比べると、選手権は安価で手軽にチケットが入手でき、両日とも午前10時から夕方まで国技館で相撲観戦を満喫できる。現在、前売り券がイープラスで販売されており、値段は各日1500円(1階のみ。全席自由。升席も可)。当日券(2000円)も国技館正面チケット売り場で販売する。 大学の応援団も駆けつけたり、花道で選手たちが互いをたたえ合ったりと大相撲にはない特色も魅力。藤凌駕も「特に団体戦はアマチュアならではで見応えがある。大相撲に負けないくらい盛り上がってほしい」と期待を込める。Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事