映画「1001フレーム」の一場面=なら国際映画祭提供 「どこから来たの?」 「お母さんは何をしているの?」 そんな問いから女性の映画オーディションは始まり、雲行きは怪しくなっていく。 男性監督は女性に尻を突き出すポーズをさせてカメラを近づけたり、異性の好みや性経験を尋ねたり。女性は困惑した表情で言葉に詰まるが、意に介さない監督は一晩を共にするよう求めてこう言った。 「(拒むなら)お前を二度と舞台に立てないようにしてやる」 そんなやりとりで映画祭の審査は幕を開けた。空気が張り詰めた「1001フレーム」 世界各国・地域の映画が集まる「第9回なら国際映画祭」は9月19~23日、奈良市で開かれた。一般長編部門「インターナショナルコンペティション」では8作品が上映された。取材を通じて感じた「映画の力」を2回にわけて紹介する。 コンペで最初に登場した作品が、メルヌーシュ・アリア監督の映画「1001フレーム」だった。 300席の大半が埋まった奈良市ならまちセンター市民ホールは、その内容に空気が張り詰めていった。 映画のあらすじはシンプルだ。「千夜一夜物語」を映画化する男性監督が、出演女優を決めるオーディションを開くというもの。 ただ、選考会とは名目で、監督の真の狙いは女優に性暴力を加えることだった。 女性が監督の質問に答える様子がずっと続き、やりとりがエスカレートしていく。… 全2回の前編です。 後編 戦争の描き方は一つではない 観客の心を動かす映画の力は28日11時15分に公開予定です。Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事