家族らに見送られ、活動拠点のジブチに向け出発する海上自衛隊のP3C哨戒機=那覇市の海自那覇航空基地で2020年1月11日、徳野仁子撮影 自衛隊が唯一の海外拠点を置くアフリカ大陸北東部ジブチの周辺で、紛争が同時多発する事態が起きている。 ジブチは人口約120万人の小国ながら、地政学的な重要性から主要国の軍事拠点が集中する「ホットスポット」となってきたが、戦略的価値が一層高まっている。米中仏伊も軍事基地 ジブチは、エチオピア、ソマリア、エリトリアと国境を接し、紅海を挟んでイエメンの対岸にある。 アフリカにおける「フランス最後の植民地」だったが1977年に独立した。四国の1・3倍ほどの国土のほとんどが乾燥した砂漠地帯だ。 住民の大半はソマリア系のイッサ族とエチオピア系のアファール族。多くはイスラム教スンニ派を信仰しており、イスラム圏の諸国とも関係が深い。 ジブチは世界有数の「基地ホスト国」としても知られる。旧宗主国の仏軍は独立以降も基地を置き、2001年の米同時多発テロ以降に対テロ作戦を進める米軍も基地を開設した。 11年には近海の海賊対処行動の拠点として、自衛隊の初の海外拠点が国際空港の一角に開設された。護衛艦1隻と哨戒機1機が現地で活動している。 13年にイタリアが基地を設置。17年には中国が海外で初となる基地を開設した。覇権を争う米中両国が軍事拠点を置く唯一の国となっている。海運の要衝にらんで重視 各国がジブチを重視する理由の一つは、アジアと欧州を結ぶ海運の要衝バベルマンデブ海峡に面することだ。 欧州に向かう船舶はアデン湾から海峡を通って紅海に入り、エジプトのスエズ運河を経由して地中海に抜ける。 米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」によると、欧州からの船舶を含め、世界の海上貿易の推計16%が海峡を往来している。 日本政府の報告書では、年間約1800隻の日本関連船舶も周辺海域を通航しているという。 各国の基地は、海賊行為の取り締まりや航路の安全確保だけでなく、周辺での情報収集、有事への即応、危機時の自国民退避などの拠点の性格も有している。 自衛隊の拠点も…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】地味な議員が大統領候補に急浮上 「リーダー不在」民主党の悩み関連記事【最新記事】