「まずはここから…」熊本の老舗 3代目夫妻を支えた友らの言葉

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地震で大きな被害を受けた「今田長八商店」で、みそを詰めるおけのふたを見つめる今田和美さん=熊本県氷川町で2026年10月24日、滝川大貴撮影 甚大な被害に見舞われた熊本地震の発生から28日で3カ月となった。被災地では、倒壊家屋の解体や仮設住宅の建設など復興に向けた動きが進み、被害を受けた事業者らが再建に向けて再出発しようとしている。最大震度7を観測した熊本県氷川町の創業100年のみそ・しょうゆ店もその一つ。設備が壊れて仕込みはできなくなったものの、親戚や友人、常連客らに支えられ、店の再建に向けて奔走している。「もうできません」とは言えず 店は1926(昭和元)年に創業した「今田長八(ちょうはち)商店」。3代目店主の今田正明さん(72)と、妻和美さん(74)が夫婦で店を営んできた。7月28日の熊本地震で、先祖から受け継いだ麴(こうじ)をつくるための麴室(こうじむろ)や、みそとしょうゆの原料となる大豆を蒸すためのボイラーなど、製造の要となる設備は壊れて使えなくなり、仕込みができなくなった。作業場の棚に保管していたしょうゆの一升瓶は次々と落下し、割れた瓶の破片としょうゆが床一面に広がった。 和美さんは、地震後は気持ちが沈み、店の再建は難しいのではないかと思うこともあった。それでも、親族や友人たちが「まずはここからやろう」と声をかけながら、倒れた家財の処分や作業場の片付けを手伝いに来てくれた。「体も動かないし、頭も回らなかったが、皆の元気な姿を見て、まずはここからやろう。落ち込んでいても何も変わらない。前を向くしかない」と感じたという。 みそやしょうゆを買いに来てくれる常連客には「(新しい商品は)いつできるの」「これからも続けてくれるの」と問われて「もうできません」とは答えられず、「できることからやろう」という気持ちになったという。「大したことはできない。でも」 商品の保管のため鉄筋で補強し、生活スペースも備えていた倉庫の損傷が少なかったため、そこで避難生活を続けながら、被害を免れたしょうゆなどの販売を店頭で続ける。…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事【最新記事】