本好きの「活字マッチョ」が読書の多様性をむしばんでいる?

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インタビューに答える飯田一史さん=東京都千代田区で2023年7月21日、三浦研吾撮影 活字マッチョイズムはもうやめよう――。「読書週間」(11月9日まで)に、そう呼びかけるのは、出版ジャーナリストの飯田一史さんだ。活字だらけの紙の本が好きな一部の“読書強者”が、本を読まない人や、軽い本、自己啓発書、ベストセラーなどしか読まない人を見下す、その排他的な姿勢を改めるべきだという。飯田さんの語る、「読書の多様性」とは?【聞き手・小国綾子】気軽な「見る」「聴く」も選択肢 日本では読書は「活字の紙の本を一人で黙読するもの」という考えが強い。電子書籍の読書率も低く、オーディオブックに関する小中高生の読書調査もありません。 一方、世界では従来型の読書から取り残されてきた人がアクセスしやすいよう、デジタルメディアを活用したり、マルチモーダル、すなわち視覚情報や音を使って情報を取り入れたりするなど、「読書」の定義が広がっています。 例えば「見る読書」。マンガばかり読んでないで勉強しろ、は昔話です。米国や英国では子どもを本の世界にいざなうツールとして、コミックが注目されています。コミックを読む子はそうでない子と少なくとも同じくらいコミック以外の本も読むことが、研究で分かっています。コミックを蔵書した図書館は、全出版物の貸出数が前より25~30%増えました。 自分で選んだ本を読み切る経験は子どもにとって大切です。コミックはその点でも有効ですし、語彙(ごい)の獲得などにもつながります。フランスの保護者はスマートフォンなどの視聴時間を減らすためコミックを積極的に子に与えます。北米の図書館は30年以上前からコミックの蔵書を拡大しています。 しかし「マンガ大国」日本では、雑誌文化の衰退や地域の書店の減少で、自分の小遣いでコミック雑誌を買う子が減っている。もはや「放っておいてもマンガは読む」時代ではありません。今の大人の多くはマンガに夢中になったことがあるはず。次世代にもその機会を意識的、社会的に作る取り組みが必要な時期に来ています。 次に「聴く読書」。米国では電子書籍の市場規模をオーディオブック市場が上回り、公共図書館のリポートに「聴くことは読書」と明記されています。朗読や怪談、読みきかせも「聴く読書」ですね。 活字は苦手でも「聴く読書」は楽しめる人は少なくない。ディスレクシアなど活字を読むのが困難な人、日本語の読み書きが苦手な海外ルーツの人はもちろん、「耳からの方が頭に入る」人もたくさんいます。学校や公共図書館は「聴く読書」も推進してほしいし、皆さんも試してみてほしい。 … <関連記事> ・韓国で広がる「読書はかっこいい」 日本でもブームにつなげたい=17時アップ予定 ・まるで自分が耕されるよう 「読書会という幸福」著者が語る魅力=18時アップ予定Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事