熱い声援を送るロアッソ熊本のサポーター=熊本市で8月15日、牧野大輔撮影 熊本地震から28日で3カ月が過ぎた今もなお、被災地では1000人を超える人々が避難生活を強いられており、日常が戻るのはまだ遠い先のようにも見えます。 しかし2011年の東日本大震災で被災した経験がある牧野大輔記者は、熊本で被災地の「希望」とも言える瞬間に立ち会い、スポーツには人々をつなぐ力があると改めて感じています。地震から半月、J3開幕戦に長蛇の列牧野大輔(運動部) 真っ赤に染まったスタジアムに熱烈なチャント(応援歌)が響く。この夏、目の当たりにした光景が忘れられない。 8月15日、熊本市のえがお健康スタジアム。サッカーJ3のロアッソ熊本の本拠地開幕戦を取材した。地震からまだ2週間あまりの時期だったが、開始2時間前には長蛇の列ができていた。 「地震大丈夫でしたか」 「元気で何より」 そんな会話とともに、肩をたたき合って再会を喜ぶサポーターの姿があった。 ロアッソは昨季、J3降格の悔しさを味わい、本来ならばJ2昇格に向けた再出発の一戦となるはずだった。だが、現実は残酷だった。試合前には黙とうがささげられ、選手たちは喪章をつけて試合に臨んだ。希望に寄り添うスポーツの出番 ゴール裏には「熊本の笑顔の為(ため) 負けんばい!」との横断幕が掲げられ、相手のサポーターも合わせて約6500人が声をからした。 結果は互いに得点を奪えず引き分け。片野坂知宏監督は「なんとしてでも勝ちたかった」と悔しがったが、この日ばかりは勝敗を超えた一戦だった。試合後も拍手や声援をやめないサポーターの姿に、クラブが心のよりどころであることが伝わってきた。 15年前の私もそうだった。 宮城県石巻市雄勝(おがつ)地区で、小学6年だった私は母を津波で亡くした。泣く姉と弟の横で涙をこらえ、やり場のない感情をため込んだ。 そんな中、…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事【最新記事】