スペイン中部トレド近郊で起きた高速列車の事故現場で作業する救急隊員ら=2026年10月28日、ロイター スペイン中部トレド県で28日に起きた高速鉄道の列車同士の衝突事故で、現地メディアは死者が68人に上ったと報じた。外務省によると、乗客名簿に日本人2人の氏名があるとの情報がある。プエンテ運輸相によると、前に列車が停止しているにもかかわらず、後続の列車に走行を指示した人為的ミスが原因の可能性がある。 事故では重体も含め約80人が負傷し、治療を受けている。日本の外務省によると、スペイン政府から事故後、日本側に「乗客名簿に日本人2人の氏名が載っていた」と連絡があった。日本政府が2人の携帯電話に連絡を試みているが、乗車の有無も含めて安否は判明していない。外務省は29日、現地対策本部を設置したと明らかにした。Advertisement 事故は28日、首都マドリードと南部アンダルシア地方を結ぶ鉄道で起きた。スペイン紙エルパイスなどによると、28日午前8時半ごろ、信号システムのエラーが発生し、事故現場周辺の63キロにわたる区間で推定6本の列車が自動停止した。 マドリードの指令センターは6分後、安全システムが作動していない状態で、国営鉄道レンフェの列車など少なくとも2本の列車に、徐行せずに通常通り運行を再開するよう指示した。 その17分後、運行を再開して約25キロ走行したレンフェの列車(乗客397人)が、停車していた私鉄イリョの列車(同147人)に衝突した。 プエンテ氏は指令センターの指示について、「不可解だ。明らかに誤りで、事故の原因だ」と指摘した。ただ、詳しい原因や経緯は今後調べるとも強調した。 この路線では今年1月にも南部コルドバ近郊で脱線・衝突事故が起こり、46人が死亡した。スペインでは歴代政権が高速鉄道網を拡大するとともに国外からも業者の参入を認めて競争を促し、成功例として評価されてきた。だが、重大事故が続き、今後は安全管理体制が十分だったかなどを問われそうだ。 スペインのサンチェス首相は28日の事故後、現場近くで行ったテレビ演説で「1年の間に高速鉄道事故が2件も起きることは容認できない」と述べ、徹底した調査を約束した。【岡大介(フランクフルト)、田所柳子】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。