震災後、避難所となっている市の防災拠点センターに並ぶ車両の何台かでは車中泊する被災者が見られた=熊本県宇城市で2026年7月30日午後8時37分、平川義之撮影 最大震度7の揺れが襲った熊本地震発生から28日で3カ月。熊本県は2016年の熊本地震でも被災した。今回と16年の双方で調査研究に当たっている竹内裕希子・熊本大教授に教訓などを聞いた。【聞き手・中里顕】避難所運営 事前の検討必要 厳しい暑さの中で地震が発生し、避難所の開設にあたっては、空調設備のある場所の確保が大きな課題となった。避難所の開設には、空調やトイレの使用可否、十分なスペースの確保に加え、立地の安全性も重要だ。津波の浸水想定区域内にあるか、区域内であれば安全な高さを確保できるかなど事前に検討しておく必要がある。建物の被害状況によっては使えないこともあるため、現場で開設の可否を判断できるよう基準や確認手順を整えておくことも重要だ。 また、避難所は開設だけでなく、どのように運営し、いつ、どんな条件で集約や閉鎖をするのかを、行政、地域、施設担当者が事前に話し合っておく必要がある。今回は8月中旬ごろから民間委託による運営に切り替わった避難所もあったが、発災直後から外部の人的・物的支援が十分に届くとは限らず、その場にいる人たちで運営を始めなければならない。避難者が集まり、物資や情報が不足して混乱しやすい初動期の運営について、あらかじめルールやスペースの使い方を検討し、必要な設備、備品、人員を確認する必要がある。 2016年の熊本地震では、災害関連死者数が直接死を大きく上回り、その対策の重要性が認識された。災害関連死を防ぐには、見守りや医療・福祉との連携が重要になる。こうした取り組みは、避難所で生活する人だけでなく、車中泊や在宅避難など、避難所の外で過ごす人にも向けられる必要がある。また、仮設住宅への移行など、復旧・復興の段階が変わる中で、支援の目が届きにくくなる人にも目を向ける必要がある。物資や情報受け取れる拠点整備を これまでの災害でも、在宅避難者や、民間賃貸住宅などを活用した「みなし仮設」で暮らす被災者は、行政が生活状況や支援ニーズを把握しにくく支援情報や物資が届きにくい課題があった。16年の熊本地震では、一部地域で区長が在宅避難者の分も物資拠点に受け取りに行く仕組みが取られた。しかし、自家用車で運べる量は限られ、男性区長が女性用下着や乳幼児用品の選定に戸惑い、水と食料だけを受け取った事例もあった。 こうした… <関連記事> 「関連死繰り返さぬ」10年前を教訓に先手 市長が語る熊本地震 活断層「ずれ」による建築物破壊 真上ではどんなに頑丈でも倒壊(28日16時公開)Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事