地震で被災した高齢者宅を見回って生活の様子を聞き取る、宮崎県日向市から派遣された保健師ら=熊本県八代市で2026年8月15日、栗栖由喜撮影 最大震度7の揺れが襲った熊本地震発生から28日で3カ月。熊本県は2016年の熊本地震でも被災した。今回と16年の双方で災害対応に当たっている小野泰輔・熊本県八代市長に教訓などを聞いた。【聞き手・中村敦茂】在宅避難の高齢者らを保健師が見守り 2016年の熊本地震では直接死の50人に対し、災害関連死が220人を超え4・5倍に上った。当時私は熊本県の副知事だった。今回は「関連死を繰り返してはならない」と口を酸っぱくして対策を指示してきた。 保健師の応援を全国に募り、発災当初から高齢者らの見守りに回った。在宅避難者を特に重視し、これまで2巡、3巡と続けている。避難所は、災害派遣医療チーム(DMAT)や日本赤十字社などの支援を受けて比較的目は届くが、そこでも大学の研究者らの協力でエコノミークラス症候群につながる血栓のチェックなどに努めた。こうしたきめ細かな対応は、10年前の反省を生かしたものだ。 酷暑への対応も急務だった。余震が続く中で車中泊をした人が多く、隣の氷川町では、ガス欠でエアコンが入らない車内で亡くなった人も出た。「とにかくガソリンを」と国に訴え、発災5~6日でガソリンスタンド渋滞は解消された。経済産業省からは、通常の供給量の4倍を熊本に投入したと聞いた。避難所となる体育館にエアコンがないところもあったが、経産省に緊急工事をしてもらい、早期に整備ができた。 関連死を抑えられているかどうか現時点で判断はできないが、10年前を踏まえ努力していることは確か。結果につながればいいと思う。エアコン、段ボールベッドの必要性実感 災害対応の中で実感したことはいくつかある。まず反省すべきは、避難所に使う体育館へのエアコン設置が進んでいなかったことだ。財政事情もあるが、気候変動で酷暑が続くようになっており、整備しておかねばならなかった。 専門家らと意見を交わし、段ボールベッドの重要性もよく分かった。体育館の硬い床の上では寝返りをしにくく、血流が悪くなると血栓ができやすい。ほこりを吸い込み、呼吸器系の疾患にもなりやすい。発災48時間以内に設営できる仕組みを整えることが大事だ。 被災者への情報発信では動画の有効性を感じた。災害の状況や支援策の周知にはホームページやガイドブックも使っているが、なかなか届かない。そこでS… <関連記事> 避難の多様化に対策は? 激震2度の熊本、地元教授の提言 活断層「ずれ」による建築物破壊 真上ではどんなに頑丈でも倒壊(28日16時公開)Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事