おうちの水回り支える「和歌山産」 ヒット商品を生み出した歴史

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商品を手にするサンコーの角谷太基社長(右)=和歌山県海南市の同社で2026年9月28日午後3時2分、鶴谷真撮影 和歌山市の南側に隣接する海南(かいなん)市。阪和道を走っていると、海南東インターの辺りで「SANKO」と書かれたビルが見える。屋上には「おくだけ」「びっくり」の文言がある。何の会社だろうと思っていたのだが、ひょんなことから、そのビルで働く方と名刺交換する機会があった。聞けば株式会社サンコーは掃除や防災関係の生活サポート用品を手がけ、そもそも海南市は家庭用品、すなわちバスやキッチン、トイレ、ランドリーなど水回りの日用品の大産地だという。おのが不明を恥じる。 この地域では古くからシュロ(ヤシ科の常緑高木)が栽培され、農家が副業として縄や鼻緒などを作っていた。明治以降に産業となり、ロープやたわし、ほうきの生産が本格化。大正時代の1916年にはシュロ製品を運ぶために野上電気鉄道が開業した(94年に廃線)。戦後の化学繊維の登場で製品は多種多様になり、レジャーや介護、美容・健康、ペットの分野にも広がった。海南特産家庭用品協同組合には約80社が加盟する。生産拠点を中国や東南アジアなど海外に置く会社が多いが、近年は国内回帰の動きもある。扇風機カバーが大ヒット サンコーはあふれるアイデアと独自の素材技術を持ち、業界のリーディングカンパニーの一つ。国産にこだわっている。阪和道から何度も眺めた本社ビルにお邪魔すると、1階はミニ博物館のようだった。62年の創業以来の歩みが国内外の世相と併せて年表や解説文、写真でもってパネル展示され、まことに興味深い。 高度経済成長のただ中だった創業時、花柄プリントを施したキッチンダスター(布巾)を世に問い、折から伸長していた総合スーパーで飛ぶように売れた。東海道新幹線が開業し、東京五輪のあった64年には幼子の指のけがを防ぐネット状の扇風機カバーが大ヒット。67年以降はデザイン生地による黒電話のカバーやポリエチレン発泡素材の風呂マットを送り出した。決して「安住」せず、時流を読みながら発展してきたのだ。 90年代に入ると顧客満足度を探るマーケティングに力を入れた。…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事