長さ約40センチの水鳥の首部分とみられる埴輪。目やくちばしがある=兵庫県加西市玉丘町の玉丘古墳で、藤田文亮撮影 兵庫県加西市玉丘町にある古墳時代中期初頭(5世紀初頭)の前方後円墳「玉丘古墳」(全長約109メートル)から、舟や家、水鳥や馬などをかたどったとみられる大量の形象埴輪(はにわ)の破片が見つかったと28日、市教委が発表した。専門家は「埴輪を整然と並べた古墳での祭祀(さいし)を考える上で貴重な発見」としている。 今回の調査区域(約30平方メートル)は古墳中央のくびれ部分から堀に張り出したテラス状の部分。円筒埴輪で方形に区画された範囲に、破片となった埴輪がびっしりと見つかり、祭祀の場とされる「造り出し」と確認された。玉丘古墳では、隣接する一段高い場所に別の「造り出し」も既に確認されている。Advertisement 市教委によると、見つかった埴輪は、死者の魂を運ぶとされる大小の舟、魂を清める場所とされる囲われた建物、家などの建造物を模したものや、目やくちばしが端正な顔立ちを見せる水鳥、太い足を持つ馬、甲冑(かっちゅう)と想定されるものなど。いずれも取り出していないため、どのように並べられていたかなどは不明だが、今後取り出して修復し、役割などを調査する。円筒埴輪(手前の円形)で区画された「造り出し」をびっしりと埋める埴輪の破片=兵庫県加西市の玉丘古墳で、藤田文亮撮影 市教委の吉永健人学芸員は「多様な埴輪を使った祭祀の場が確認され、石棺や古墳の形状が畿内の大王墓と相似形であることも踏まえれば、大和王権と強い関係を持った人物が埋葬されていたと言える」と話している。 県立考古博物館の菱田哲郎館長は「豊富な形象埴輪が整然と並べられていたとみられ、行者塚古墳(加古川市)のようだ。隣接する『造り出し』の調査も進めば、古墳での祭祀の姿をよみがえらせることができるかもしれない」と話している。 現地説明会は11月3日午後1時から4時。市教委生涯学習課(0790・42・8775)。【藤田文亮】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。