表彰状が贈られた6人と平本消防長=熊本県玉名市で2026年11月2日午前10時13分、野呂賢治撮影 今夏、熊本県代表として甲子園に初出場した有明の準々決勝中、荒尾市の同校であったパブリックビューイング(PV)会場で卒業生らが急病人を救命した。看護科がある同校の卒業生には医療従事者が多く、的確な処置で男性は回復。有明旋風を起こした野球部とともに活躍をたたえられ、地元消防が表彰した。 8月18日夕、健大高崎(群馬)と4強入りを懸けて戦うチームに声援を送ろうと生徒や卒業生ら約300人が詰めかけた。エースの投げ合いによる息詰まる攻防でPV会場の熱気も高まった六回、最前列にいた元教員の男性(86)が頭から床に崩れ落ちた。Advertisement 男性の呼吸はなく、みるみる顔色が悪くなり心肺停止状態に。すぐに数人が集まり交代で心臓マッサージを始め、校内にあった自動体外式除細動器(AED)が2度使用された。 「救急車が来るまで最短で7分」「リズムよく続けて」。そんな指示が飛び交い、「先生! まだ試合が終わってないよ。頑張って」と励ます声が会場か上がった。救急車が到着した頃には男性は意識を取り戻し、搬送時に救急隊の呼び掛けに応じていた。消防などによると男性は循環器系の疾患でそのまま入院し、9月8日に退院した。 同校は看護科があり、卒業生に医療関係者が多い。会場には地域の医療関係者らも訪れており、男性の的確な救命につながった。人命救助で連携した6人に表彰状が贈られた=熊本県玉名市で2026年11月2日午前10時3分、野呂賢治撮影 有明広域行政事務組合消防本部(玉名市)は2日、救命活動をした6人に表彰状と記念品を贈呈した。6人は、看護師、山下舞さん(27)▽同、水落菜摘さん(32)▽薬剤師、山下怜真さん(26)▽同校看護科教諭、河野杏美さん(41)▽荒尾市議、野田ゆみさん(62)▽玉名市議、緒方亜利沙さん(37)。 山下舞さんと水落さん、緒方さんは同校の卒業生で、山下さんは「大切な命を救うことができてうれしい」。河野さんは「会場の多くの方からサポートをいただき助けることができた」と話した。 同本部の平本正義消防長は「救急車の到着まで、その場の方々が勇気を持って行動し、連携し協力し合うことの重要性を教えてくれた」と感謝した。【野呂賢治】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。