「どう生きたいか」定めるのが大事 性別変更した男性が挑んだ村長選

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朝日新聞記事現場から2026年8月30日 19時37分(2026年8月30日 22時27分更新)有料記事藤井匠 標高1千メートル級の山々に囲まれた人口700人ほどの村で、ある男性が村長選に挑んだ。 性的少数者であることを自ら公表している人が自治体の首長選に立候補した、数少ない例の一つとみられる。 なぜ立候補し、何を訴えたのか。村長選の告示日、選挙戦への思いを語る臼井崇来人さん=8月25日午後3時16分、岡山県新庄村、藤井匠撮影 25日午後、岡山県の西北端にある新庄村。その一つの登山口で、白いTシャツ姿の男性がカメラを前に口を開いた。 「(新庄村は)自然とも人とも仲良くでき、生きる知恵を持つ。鍛え上げていったら、めっちゃ面白い場所になる」 この日告示された村長選に立候補した、農業の臼井崇来人(たかきーと)さん(52)。約4千平方メートルの農地で、キウイに似た特産品のサルナシを作っている。出生時に女性とされ、現在は男性として生きている。 岡山市で育ち、エコツーリズムを学ぶ米国留学やアルゼンチンでの宣教師活動を経て、2010年に新庄村へ移住した。 16年、岡山家裁津山支部に性別変更を申し立てた。だが法律には、性別変更のためには生殖能力を失わせる手術が必要だとの規定がある。臼井さんの申し立ては却下され、19年に最高裁でも退けられた。 最高裁は23年、別の申立人の審判で、この規定を「違憲」と判断した。臼井さんは再び家裁に申し立て、24年2月、性別変更が認められた。 新庄村では、パートナーの幸(みゆき)さん(48)と幸さんの長男(16)と3人で暮らしてきた。 性別変更が認められた翌月、幸さんとの婚姻届が受理された。願いがかない、法律上も「家族」になった。婚姻届を手に記念写真を撮る臼井崇来人さん(左)と幸さん(画像の一部を加工しています)=2024年3月15日、岡山県新庄村役場 選挙に立候補したのは、村への強い愛着からだ。 環境関連の仕事で初めて新庄村を訪れたのは、20代のころ。大自然に魅了された。 満天の星に「(星空観察用の)星座盤の中の星より多いじゃん、何だここはと思った」。アルゼンチンから帰国後、知り合った村民に「村を何とかしてほしい」と言われ、移住を決めた。 村の人情が好きだ。子どもを預かってくれたり、困ったときに駆けつけてくれたり。トラブルが起きたときに味方になってもらったこともある。 性別変更が認められず、婚姻届が受理されなくても、「村の人は(子どもの)小学校でも中学校でも、家族として扱ってくれた」。臼井崇来人さん(右)と幸さん=2016年6月3日、岡山県新庄村 移住した16年前に約1千人いた人口はいま、700人ほどに減った。 「(他人を)ほっとかない、一人きりで孤立させないのが新庄村の強みだと自分は思っている。そういうものが残る形をこれからも作っていきたい」。立候補への思いの一端をそう語っていた。 最高裁にまで否定された自ら…【この記事の続きが読める】有料記事が読み放題のスタンダードコースが初回1カ月無料!詳しくはこちら宅配紙面の購読者なら、ダブルコース半年割がお得です。詳しくはこちらこの記事を書いた人藤井匠岡山総局|津山地区担当専門・関心分野城郭、防災、移植医療関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ8月30日 (日)原油の中東依存 9割から6割に不同意性交事件 把握進む江戸時代の食事、塩分高すぎ8月29日 (土)ネパール土石流 救助活動難航横浜市長が辞職表明中道・立憲・公明の合流断念8月28日 (金)北陸でレベル5大雨特別警報ネパールで大規模な土石流草間彌生さん 97歳で死去8月27日 (木)「ICCは決して負けない」東京の「赤字」2255億円「学校犬」がよりどころにトップニューストップページへ土石流で消えた谷間の街、すべてを失った人々 ネパール被災地ルポ19:57ソニー生命に立ち入り検査へ 不祥事で金融庁、プルデンシャルに続き18:00独自氾濫した河川、水をかき分け進む車も 丸岡城周辺も冠水 福井の大雨17:08カイロス3号機の失敗、原因は静電気 安全装置の通信途絶え自動爆破19:15日本海の人口約300人の島の村長選で現職が再選 投票率は91%21:4663歳で始めたフラダンスと新たな居場所 がんで逝った妻を心に抱き11:00