先日、米国の裁判資料から、Windows 11には「GDID(Global Device Identifier)」と呼ばれる、端末ごとに割り振られた一意の識別子が存在することが明らかになりました。米司法省がハッカーグループ「Scattered Spider」のメンバーを起訴した裁判で、Microsoftが犯人のデバイス追跡のために提供した情報にGDIDが含まれていたため、ユーザーのプライバシーが筒抜けになっているのではないかとの懸念も寄せられています。今回、このGDIDを恒久的に無効化するためのWindscribe製ツール「deGDID」が公開されています。GDIDとは何かGDIDは、Windowsインストールごとに割り当てられるサーバー生成の識別子で、Microsoftの各種サービスで同一端末を識別するために使われます。PC名やハードウェアのシリアル番号とは異なり、Windowsを使い続ける限り一貫して保持される点が特徴です。Microsoftアカウントを使っているかどうかにかかわらず生成され、ユーザー側で無効化する設定が存在しないことから、プライバシーの観点から議論を呼んでいます。Windscribeが公開した新ツール「deGDID」今回、カナダ発のVPNサービスプロバイダーWindscribeは、GDIDを削除し、さらに再生成を防ぐための無料ユーティリティ「deGDID」を公開しました。単にレジストリ値を消すだけではWindowsが自動的に再取得してしまうため、クラウド側の発行エンドポイントへのアクセスを遮断する仕組みを組み合わせています。ツールの主な動作は次のようなものです。GDID関連のクラウド登録パスをhostsファイルとファイアウォールでブロックローカルに保存されているGDID関連データを、ユーザー・SYSTEM・DEFAULTなど複数の領域から徹底的に削除ConnectedDevicesPlatformやTokenBrokerなど、関連キャッシュやトークンもクリアWindscribeによると、Windowsのシステムファイルを改変することなく動作するそうで、オープンソースとしてコードも公開されています。Windows 11(21H2〜25H2)およびWindows 10 22H2に対応しています。ツールはPowerShellで作られていて、管理者権限で以下のように実行します。.\degdid.ps1 -Status読み取り専用で状態を確認。.\degdid.ps1 -Status -Redact出力内容を共有する前に、機微情報を伏せた(マスクした)状態で表示。.\degdid.ps1 -Protect通常の保護フローを実行。.\degdid.ps1 -Unprotect保護を解除して元の状態に保護フローは以下の作業を行います。まずブロック処理を行うブロックできているか検証する既知のローカル状態(GDID関連データ)を消去する少し待機する再度インベントリ(状態の再収集)を行う最終的な判定結果をレポートする利用時の注意点GDIDを無効化すると、Microsoftサービスの一部で挙動が変わる可能性があるとWindscribeは注意喚起しています。テストでは問題は確認されていないものの、デバイス識別に依存する機能が影響を受ける可能性は否定できません。また、GDIDはサーバー側で生成されるため、過去に紐づけられた履歴を消すことはできません。あくまで「今後新しいGDIDを発行させない」ための対策です。まとめGDIDは普段意識することのない内部識別子ですが、プライバシーを重視するユーザーにとっては気になる存在です。Windscribeの「deGDID」は、その識別子を削除し再生成を防ぐための実践的なツールとして注目されています。ただし、Microsoftサービスの挙動に影響が出る可能性もあるため、利用する際は仕組みを理解したうえで慎重に判断することが大切です。[via Neowin]