図解あり 八田浩輔毎日新聞 2025/12/6 08:00(最終更新 12/6 08:00) 有料記事 2419文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷太陽光パネルの下で群れる羊=米南部ジョージア州で2025年8月20日、八田浩輔撮影 広大な土地に、視界の限り太陽光パネルの列が続く。その下では、放牧された羊たちが日差しを避けるようにのんびりと草をはんでいた。米新興エネルギー企業「シリコンランチ」が手がけたメガソーラー(大規模太陽光発電所)牧場は、南部ジョージア州アトランタから南へ約190キロの農村地帯にある。発電容量は68メガワットで、約1万1000世帯の年間電力消費量をまかなえる。 <主な内容> ・メガソーラーと羊の共生 ・生態系保全と炭素循環の実践 ・トランプ政権下の逆風と現状 ・政治的対立を超える再エネ導入メガソーラーと羊の共生 「彼はコヨーテからも羊たちを守ってくれる」。統括役のジャック・メイソンさん(28)の指示に合わせて、牧羊犬が羊の群れをパネルの列に沿って追い立てる。敷地は東京ディズニーリゾートの約1・4倍。専従のスタッフ4人が約1000頭の羊の飼育と繁殖管理を担う。メイソンさんを含め、いずれも入社前に農畜産業の経験はなかったという。 2011年に南部テネシー州で創業したシリコン社は、国内有数の独立系の太陽光発電事業者だ。15州で180以上の太陽光発電施設を運営し、うち40カ所以上で羊を飼養している。地域の畜産農家と協業するケースもあるという。 太陽光発電と放牧の組み合わせは「ソーラーグレージング」と呼ばれ、米国で急速に広がっている。業界団体によると、昨年10月現在で全米500以上の大小さまざまな太陽光発電施設で、11万頭以上の羊が飼育されている。生態系保全と炭素循環の実践 その目的は、土地の有効利用と植生管理にある。地上設置型の太陽光発電施設では雑草対策が欠かせず、草丈がパネルに届けば発電効率が落ちる。機械による草刈りは効率的だが、動物を除草に活用すれば、長期的にはコストを抑えられる可能性がある。羊が好まれるのは体が小さく温厚で、配線などを傷つけにくいためだ。需要の高い牛についても、各地で実証が進められている。 シリコン社が重視するもう一つの柱が、土壌の健全さだ。「羊の排せつ物が虫を呼び、虫が鳥を呼ぶ。こうした循環する生態系を、私たちは『ソーラーサバンナ』と呼んでいる」。最高技術責任者(CTO)のニック・デフリースさん(51)は、かつて人工林だった敷地の土を手に取りながら説明する。周辺農家に影響しかねない土壌侵食を抑える土地管理は、地域社会に対する同社の責務でもあると強調する。施設の生態系と羊の相互作用についての査読付き論文も公表し、透明性確保に努めている。 胃が四つある羊などの反すう動物は、飼育の過程で強力な温室効果ガスであるメタンを排出する。一方で、草地を適切に管理すれば、光合成による炭素を土壌に蓄える働きも期待できる。こうした両面を踏まえ、シリコン社は将来、羊の肉を販売して発電と合わせた「二つの収益源」に育てる構想を描く。 記事の後半では、トランプ政権下で強まる再エネの逆風と、それでも太陽光や蓄電池の導入が伸び続ける背景を詳しく紹介します。保守的な地域で再エネが受け入れられる理由や、企業が政治的対立を超えて事業を進めるための工夫にも迫ります。トランプ政権で逆風下の再エネ 気候変動対策を軽視するトランプ大統…この記事は有料記事です。残り1097文字(全文2419文字)【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>