編集委員・吉田伸八 三井新2025年10月1日 9時53分匿名・流動型犯罪グループ情報分析室の発足式で、警察庁の楠芳伸長官が訓示した=2025年10月1日午前9時48分、東京都千代田区、板倉大地撮影 詐欺や強盗など様々な犯罪に関わる「匿名・流動型犯罪グループ(匿流(トクリュウ))」に対処するため、警察庁と警視庁は1日、新たな体制を発足させた。都道府県警の枠を超え、全国警察が一体となり、グループ「中枢」の摘発をめざす。「匿流」に対する捜査体制 匿流はSNSで緩くつながり事件ごとにメンバーを代えるため、実態がつかみにくく、治安対策上の脅威となっている。暴力団と違い、組織やメンバーの特定が難しいのが特徴だ。 警察庁は「匿流情報分析室」を兼務も含め38人体制で設置。警視庁は「匿流対策本部」(140人体制)を発足させ、46道府県警から出向する捜査員100人による「匿流ターゲット取り締まりチーム(T3)」を置いた。匿名・流動型犯罪グループ情報分析室の発足式で、警察庁の楠芳伸長官が訓示した=2025年10月1日午前9時45分、東京都千代田区、板倉大地撮影 警察庁の分析室が全国の匿流に関する情報を集約、分析し、グループの首謀者や指示役といった中核的人物を割り出して摘発の「ターゲット」に指定。警視庁刑事部に新設された特別捜査課などにT3を派遣し、捜査を進める。 同日午前、警察庁で行われた発足式で、楠芳伸長官は「匿流対策の成否が我が国の治安に大きな影響を与えると言っても過言ではなく、今が正念場だ」と指摘。違法なビジネスモデルの解体や海外当局との連携強化などに努めるよう指示した。警察庁で発足した匿名・流動型犯罪グループ情報分析室の宇野晃室長が決意を述べた=2025年10月1日午前9時57分、東京都千代田区、板倉大地撮影警視庁では新・刑事部発足 新たな体制になるのに伴い、警視庁の刑事部と組織犯罪対策部は統合され、新・刑事部になる。組織犯罪対策部にあった暴力団対策課や国際犯罪対策課、薬物銃器対策課、犯罪収益対策課などは刑事部の所属になる。 匿流は、特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺をはじめ、強盗や窃盗、悪質ホストクラブやオンラインカジノなど多様な犯罪に関わり、犯罪で得た資金を洗浄(マネーロンダリング)しているという。この記事を書いた人吉田伸八編集委員|警察庁担当専門・関心分野警察行政、事件、犯罪こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ10月1日 (水)米とイスラエル 和平案で合意新浪氏が代表幹事を辞任彬子さま、三笠宮家の当主に9月30日 (火)金1グラム 史上初の2万円突破チェック体制に「規定なし」日産 マリノスの株売却検討9月29日 (月)コカ・コーラが200円に国連のイラン制裁すべて復活消えゆく言葉「御苦労様」9月28日 (日)米、医薬品に追加関税100%配達員 オートロック解錠可に石川県の面積、増えるトップニューストップページへ米政府機関、1日から一部閉鎖へ 議会が「つなぎ予算」案を否決10:10製造業の景況感が2期連続改善 日銀短観、トランプ関税の懸念和らぐ9:00フィリピン・セブ島北部沖でM6.9地震、子どもを含む26人が死亡8:4610月開始の「NHK ONE」、アカウント登録手続きで一部不具合9:00林氏が予想以上の伸び、小泉氏陣営には朗報? 総裁選の議員票の動向16:00「信用して貸したのに…」地銀の融資2千万円、M&Aの仲介手数料に10:00「バナナのたたき売りじゃない」学術会議の任命拒否で断った打診5:30