松田果穂2025年10月2日 6時00分警視庁の「公安捜査監督指導室」の発足式で訓示する若田英公安部長(奥)=2025年10月1日午後3時44分、東京都千代田区、松田果穂撮影 機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)をめぐる冤罪(えんざい)事件を受け、警視庁は1日、公安部の捜査に問題がないかを点検する「公安捜査監督指導室」を立ち上げた。約20人体制で、証拠が適正か、収集方法に問題がないかといったことを確認し、公安部長らに報告する。日常的に、捜査員からの意見や相談も受け付けるという。 同社をめぐる公安部の捜査の違法性を全面的に認めた確定判決をベースに実施した警視庁による検証結果を受けた取り組みだ。検証では、捜査指揮系統が「機能不全」であることや、捜査方針に沿わない結果が出たのに追加捜査せずに公安部幹部らと共有をしなかったことなどを問題点として挙げていた。 監督指導室は公安総務課に置く。「捜査指導官(警視)」を配置し、公安事件の捜査経験が豊富だったり、今回の検証に携わったりした人物らを集めた。 点検するのは、公安部や警察署の公安係が手がける事件。捜査手続きや法令解釈などに問題がないか確認するほか、指導や研修もする。今回の冤罪事件では、現場の捜査員の声を幹部が聞こうとしなかったことも問題視されたため、捜査員からの相談も受け付ける。捜査に問題があれば是正するほか、組織に有用な内容は他の部署に共有するという。 公安警察は、武器に転用できる機器の輸出や、最先端企業からの情報窃取、組織に属さないローンオフェンダー(LO)によるテロ――などを抑止・摘発する組織だ。 1日に開かれた指導室の発足式で若田英公安部長は「必要に応じて立ち止まって捜査方針を大きく見直すこともできる、公正かつ健全な組織運営を確立しなければならない」と訓示した。大川原化工機冤罪事件化学機器メーカー 「大川原化工機」をめぐる冤罪事件で、違法捜査と認定された東京高裁判決について、警視庁と東京地検は上告を断念しました。関連ニュースをまとめています。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ10月2日 (木)NHKのネット利用が「有料化」米政府機関が一部閉鎖に東京都、無痛分娩の助成開始10月1日 (水)米とイスラエル 和平案で合意新浪氏が代表幹事を辞任彬子さま、三笠宮家の当主に9月30日 (火)金1グラム 史上初の2万円突破チェック体制に「規定なし」日産 マリノスの株売却検討9月29日 (月)コカ・コーラが200円に国連のイラン制裁すべて復活消えゆく言葉「御苦労様」トップニューストップページへ「本州一の厳寒地」郵便局、唯一の軽バンが停止処分 住民に不安21:00運転手「ハンドル左なのに右へ」 総点検指示のEVバス、事故の瞬間17:1533歳女性殺害容疑で51歳男逮捕 過去に3回相談、大阪府警が注意4:37「外来種」タヌキがウミガメの子を食い荒らす 世界遺産屋久島で被害6:00「社長=出世の到達点」の時代は過ぎた お気に入り人事では戦えない6:00日本学術会議の法人化 法律から消えた「平和」、国会への助言が課題5:30