朝日新聞連載社会タイムライン記事更新中43分前に更新更新中の記事では最新情報を随時更新します上田真由美2025年7月12日 9時20分 一票に込めるあなたの思いは――。参院選まで残り8日となった12日、全国8カ所の期日前投票所に記者が終日密着します。各地で出会う有権者から、今回の参院選の見方やそれぞれの思いをお聞きし、その様子をタイムラインでお伝えします。密着する期日前投票所は北海道千歳市、秋田県大仙市、東京都港区麻布、愛知県豊田市、石川県輪島市、大阪市此花区、香川県土庄町、長崎市の全国8カ所。投票に訪れた有権者に声をかけるほか、投票所周辺の様子も取材します。取材した方のお名前はカタカナで表記しています。能登半島地震の被災地の投票所のそばでは、川の護岸が修復工事中だった。屋根にブルーシートをかぶせた家も見える=2025年7月12日午前8時24分、石川県輪島市町野町、上田真由美撮影09:15(香川県土庄町)移住者と高齢化率と 早朝、フェリーに車を積み込み、高松港を離れた。1時間かけて向かったのは、瀬戸内海にある小豆島・土庄(とのしょう)港だ。 記者(24)は4月に香川県に赴任した。瀬戸内海の島へ、船に乗って取材に行くことには慣れてきた。今日の空は海より薄い水色。フェリーから遠くの海を見ると、朝から操業する小型船がぽつぽつとある。 小豆島は、西側の土庄町と東側の小豆島町から成る。小説「二十四の瞳」で知られる作家壺井栄の故郷であり、近年は瀬戸内国際芸術祭の会場としても有名だ。小豆島の土庄港行きのフェリーから出発した高松港を望む=2025年7月12日午前7時12分、香川県、渡辺杏果撮影 土庄町は小豆島のほかに、豊島(てしま)、小豊島(おでしま)、沖之島の計4島で構成される人口1万2846人(2020年時点)の自治体だ。今回、土庄町の期日前投票所を密着先に選んだのは、移住者の多さと高齢化率の高さが気になったからだ。 25年度、香川県の移住者数が2879人(1890世帯)で、過去最多となった。最も移住者が多い市町が土庄町で、206人(150世帯)にのぼる。一方で、町の人口は減少傾向にあり、65歳以上の人口割合は約43%を占める(20年時点)。 移住した人と、島で生まれ育った人。それぞれから見える島の未来には、どのような景色が広がっているのか。少しでも島のリアルに迫りたい。 投票所が開いて30分ほど。すでに10人以上が投票に訪れていた。08:30(輪島市町野町)「二重被災」のまち 一番乗り 石川県輪島市の市街地にある自宅アパートから、北東へ車で40分。2024年元日の能登半島地震で隆起した海岸につくられた仮設道路を通り、左右に崩れた山肌を見ながら運転し、山あいにある輪島市町野町に着いた。 地震で木造家屋の多くが損壊した町野町は、その後の昨年9月に襲った豪雨で土砂が崩れ、川があふれてまちの中心部に流木がながれこみ、「二重被災」した。家屋の解体が進み、広がった更地に草が生い茂る。いまも屋根に雨漏り防止のためブルーシートをかぶせた家も目立つ。 ほんの4日前、自民党の参院議員から、「運のいいことに能登で地震があった」という発言が飛び出した。都市と地方に拠点を置く「二地域居住」について話す中での発言で、その日のうちに謝罪、撤回した。被災者に受け止めを取材したとき、憤りやあきれとあわせて何人かが口にした「ひとごとなんでしょう」という言葉が耳に残った。 能登駐在の記者(45)として暮らしていると、まだまだ復興どころか復旧すら始まったばかりだと思う。記者以上にこのギャップを感じているはずの被災地で暮らす人たちは、一票にどんな思いを込めるのだろう。 きょうから期日前投票が始まる市役所「町野支所」の2階建て庁舎には、参院選の投票を呼びかける大きな垂れ幕が掲げられていた。「一票に ふっこう明日への ねがいこめ」と書かれている。能登半島地震の被災地の投票所には「一票に ふっこう明日への ねがいこめ」の標語を掲げた垂れ幕がかかっていた。背景には屋根にブルーシートをかぶせた家が見える=2025年7月12日午前8時26分、石川県輪島市町野町、上田真由美撮影 午前8時半すぎに訪れたナナミさん(33)は、この投票所での最初の投票者だった。投票箱が空であることと、箱への施錠を確認するという初めての体験をした。「選挙って、間違いのないようにちゃんといろんな人の確認をしてやっているんですね」 「問題はいろいろあるけれど、最近、気になっているのは人権。生活保護世帯とかお年寄りとか、弱い人が取り残されないようなことを考えてほしいと思って1票を投じました」【はじめるなら今】記事読み放題のスタンダードコース1カ月間無料+さらに5カ月間月額200円!詳しくはこちらこの記事を書いた人上田真由美金沢総局|能登駐在専門・関心分野民主主義、人口減少、日記など市井の記録を残す営み参院選20252025年7月3日(木)公示、7月20日(日)投開票の参議院選挙に関するニュースをお届けします。[もっと見る]関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ7月12日 (土)牛肉の対中輸出 再開へ協定最低賃金アップ 議論始まる熱中症 糖尿病なら特に注意7月11日 (金)米に「なめられてたまるか」外国人の免許切り替え厳格化水泳授業で小学生62人やけど7月10日 (木)参院選後の連立 どの政党と?自民・鶴保参院議員が謝罪消防団員、報酬「上納」続く7月9日 (水)米、日本に関税25%増える日本の中高年社員市街地のクマへの発砲可能にトップニューストップページへ日産、米工場でホンダ車の生産を検討 「関税」が破談後の距離縮める22:17ヒグマに襲われ新聞配達員が死亡、ハンターら周辺警戒 北海道福島町8:18マッコウクジラ「立ち寝」の貴重映像、奄美大島近海で撮影に成功8:00妻が殺害された部屋、借り続けて26年 「証拠を残し、現場検証を」6:00女性候補の声の高さ、日本では気にしない? 研究が示す無意識の偏見7:00万博理事が語る「寄り合い所帯」の課題 ロバート・キャンベルさん9:00