有料記事山本知佳2025年7月12日 8時30分 偏差値の高い大学に入って、高学歴エリートになれば、人生は安泰。それって本当?――。そんな疑問を投げかける本が、4月に刊行された。東京大の卒業生2437人が回答した調査の分析結果をまとめた「『東大卒』の研究」(本田由紀編著、ちくま新書)だ。著者のうち、ともに東京大で研究し、地方出身の女性を分析した久保京子さんと、「大学第一世代」を分析した近藤千洋さんに、調査から浮き彫りになった格差社会の実態を聞いた。東京大学の安田講堂地方出身の女性を分析 久保京子さん 東京大学の女性学生比率は約2割で、少ないことはこれまでも指摘されてきました。特に地方出身の女性は、この10年のうちで最も割合が高かった2023年でも、9%です。私は、卒業生の調査から、地方出身の東大女性とはどのような人かを分析しました。年代による違いを見るため、生まれが1986年より前と以降で分けて分析しました。 たとえば女性の中でも、東京圏は両親の大卒率が高く、地方出身は母親のフルタイム就業率が高い一方、無就業率が低かったです。小学校までの親の子育ての仕方を見ると、86年生まれ以降の世代では、東京圏が「博物館や美術館に連れて行く」が多い一方、地方出身はお金がかからない「読み聞かせ」が多かった。女性とひとくくりにしても、一枚岩ではありません。「『東大卒』の研究」の著者の一人、久保京子さん=2025年5月14日午後3時12分、東京都文京区、山本知佳撮影どうやって地方女性を増やすのか この分析は、地方出身の女性がかわいそう、というような話ではありません。大切なのは、どこの出身やどんな属性であろうと、可能性のある人ややる気のある人に、選択肢をどう示すかということです。現状では、地方出身の女性に対し、フォローやプッシュが必要です。 例えば、東大進学を誰に勧め…【はじめるなら今】記事読み放題のスタンダードコース1カ月間無料+さらに5カ月間月額200円!詳しくはこちらこんな特集も教育情報(PR)注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ7月12日 (土)牛肉の対中輸出 再開へ協定最低賃金アップ 議論始まる熱中症 糖尿病なら特に注意7月11日 (金)米に「なめられてたまるか」外国人の免許切り替え厳格化水泳授業で小学生62人やけど7月10日 (木)参院選後の連立 どの政党と?自民・鶴保参院議員が謝罪消防団員、報酬「上納」続く7月9日 (水)米、日本に関税25%増える日本の中高年社員市街地のクマへの発砲可能にトップニューストップページへ日産、米工場でホンダ車の生産を検討 「関税」が破談後の距離縮める22:17ヒグマに襲われ新聞配達員が死亡、ハンターら周辺警戒 北海道福島町8:18マッコウクジラ「立ち寝」の貴重映像、奄美大島近海で撮影に成功8:00妻が殺害された部屋、借り続けて26年 「証拠を残し、現場検証を」6:00女性候補の声の高さ、日本では気にしない? 研究が示す無意識の偏見7:00万博理事が語る「寄り合い所帯」の課題 ロバート・キャンベルさん9:00