2025年、テック業界はかつてない嵐の中にあります。大規模なレイオフが進められ、新卒向け求人は70%減とも言われるなか、「Vibe Coding」を始めたAIを活用するコーディングにより従来の開発手法は大きくかわろうとしています。このようななか、サンフランシスコに拠点を置くFinal Round AIは、「How AI Vibe Coding Is Destroying Junior Developers' Careers」と題したブログ記事を公開し、AIにコードをすべて書かせる「Vibe Coding」が若手開発者のキャリアを蝕んでいると警鐘を鳴らしています。記事によると、「Vibe Coding」は、もともと週末プロジェクト用の気楽な開発手法として導入されたもの。それにもかかわらず、今では「AIが全部やってくれる」幻想に囚われた開発者たちが、プロダクトをAI任せで構築し、デバッグも設計もせずに「それっぽい雰囲気」で本番環境に投入していると苦言を呈しています。具体的な失敗例として、SaaSをVibe Codingで構築した開発者が、セキュリティや保守で完全に失敗し、デバッグができなくなってしまい、最終的にサービスが終了した事例をとりあげています。また、「AIで20%速くなった」と感じていても、実際は「19%遅くなっている」と判明した最新の研究結果を引用し、生産性に関する幻想が存在すると指摘しています。AI頼りのスタイルは若手開発者に影響が大きく、「コードを理解できない開発者」すなわち疑似開発者は、デバッグができず、設計能力やコードレビュー力がゼロで、真っ先にリストラ対象なってしまう可能性があると警告しています。AIは道具であって代替手段ではない記事では、これらの対策として、コードを自力で書く力を身につけ、AIの生成物は必ず理解・レビュー・説明できるようになることが重要だと強調しています。また、AIなしの開発時間を意図的に設けることも推奨しています。Redditでもこの記事に関してさまざまな意見が寄せられており、一部のユーザーは「AIの使い方に問題がある」と批判し、他のユーザーは「それも新しい時代の技術適応の一部」と擁護しています。