赤ワインの色づきピンチ 温暖化で着色不良、品質低下の懸念

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毎日新聞 2025/7/19 07:15(最終更新 7/19 07:15) 1210文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷今春に植えられたばかりのソワノワールの苗木=山梨県甲州市で2025年6月12日午後3時57分、杉本修作撮影写真一覧 地球温暖化による気温の上昇が赤ワインの色に影響している。原料のブドウが、夏の酷暑によって着色不良となり、赤ワイン本来の「濃い赤色」が失われかねないと懸念されている。生産地では「10年、20年先も赤ワイン造りができるように」とさまざまな取り組みを始めている。 「ここ5年くらいで着色の悪いブドウが明らかに増えている」。山梨県甲州市のブドウ農園で働く30代の男性はこう話す。男性の果樹園は、メルローなど「濃い赤」と「強い酸味」が特徴の欧州原産の品種にこだわって栽培している。ただ、ここ数年、秋の収穫までにしっかり色がつかない果実が増え始め、ワイン製造に影響しているという。「色が薄いというのは、単に見た目だけでなく、味に重厚感がなくなるということ。それだけ品質が落ちます。今後、温暖化がさらに進み悪化することが心配」と声を落とした。Advertisement山梨県産のメルロー(左)とソワノワール(右)で造られたワイン=県果樹試験場提供写真一覧 国内で栽培されるブドウで造られたワインは「日本ワイン」と呼ばれ、国税庁によると、山梨県は生産、出荷量ともに全国1位(2023年調査)。日本ワインの3割が県内で生産され、中でもメルロー、カベルネ・ソービニヨンなど欧州系のブドウ品種を使った赤ワインの人気が高く、高値で取引される。 しかし、本来乾燥した涼しい土地で栽培されている欧州系のブドウは暑さや湿気の影響を受けやすい。県果樹試験場によると、夏季の猛暑によりブドウの皮に含まれる色素「アントシアニン」の合成が阻害され、色づきが悪くなるという。県内の一大生産地、甲州市勝沼地区では、2024年8月の平均気温が20年と比べ、日中、夜間ともに2度ほど上昇している。「2度も上がればブドウへの影響は避けられない」と同試験場の新谷勝広さん(55)は危機感を募らせる。 新谷さんらは、暑さによる色落ちがしにくいブドウの開発を進め、今年から新品種「ソワノワール」の苗木を本格的にブドウ農家に配布し始めた。苗木は、早ければ3年後に果実をつけるという。「山梨で赤ワインができなくなれば、影響は全国に及ぶ。着色不良対策の選択肢として広がってほしい」と新谷さんは言う。果樹園にソワノワールを植えた原茂ワイン(甲州市)社長の古屋真太郎さん(62)は「安定した渋み、色合いがでることを期待する。山梨の赤ワインを次の世代に受け継いでいきたい」と語った。 一方、ワイン大手「メルシャン」(本社・東京)は高温を避けるため、17年に甲州市の天狗沢地区にある標高850メートルの高地に4ヘクタールの土地を借り、ブドウ畑を開園した。標高の低い自社の畑に比べ、2~3度気温が下がるという。フランス原産のシラーなどを栽培し、「天狗沢シラー」「天狗沢ロゼ」としてブランド化し、人気を博している。同社の小林弘憲さん(50)は「今後、夏の暑さが加速度的に進むかもしれない。先を見据えたワイン造りを進めていきたい」と力を込めた。山梨のワインを守るため、製造者たちの挑戦は続く。【杉本修作】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>