「ごみの島」救った溶融炉 香川・豊島から福島、次は… 注目の技術

Wait 5 sec.

毎日新聞 2025/7/13 14:00(最終更新 7/13 14:00) 有料記事 2756文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷豊島に不法投棄された産廃類を無害化するため、クボタが直島で建設を進めた溶融炉。資源循環の鍵となる施設だった。建屋の外壁などがまだなく、炉の形状が分かる=香川県直島町で2002年4月(クボタ提供) 瀬戸内海に浮かぶ香川県の豊島(てしま)。そして、東京電力福島第1原発事故で住民が避難を余儀なくされた福島県双葉町。約700キロ離れた双方には、ある技術を巡る共通点がある。その技術は近年、市民から注目を集めている。産廃不法投棄に見舞われた豊島 「シンナーのような臭いが漂い、地面はふわふわしていて何かが埋まっていた。これは大変だと思った」 大手機械メーカー「クボタ」(大阪市浪速区)の技術者だった阿部清一さん(76)=三重県名張市=は1997年12月に初めて豊島を訪れ、産業廃棄物が大量に不法投棄された現場に立った時の感触を鮮明に覚えている。 20世紀の終わりに国内最大級の産廃不法投棄事件に見舞われ、「ごみの島」と呼ばれた豊島。阿部さんは、香川県が産廃類の処理を担える候補企業に状況を知ってもらおうと開いた見学会に参加した。 産廃類の中身は廃自動車を破砕したシュレッダーダストから廃油まで多岐にわたり、当時の推計で約56万トン。阿部さんは産廃に向き合うのは初めてだったが、「研究してきた技術なら対応できる」と自信を持った。高温の溶融炉で目指す「循環型」 大学や大学院で水の研究に励んだ阿部さんが、74年に入社したクボタで命じられたのは、焼却灰などを高温で溶かす「溶融炉」の研究だった。大阪市内の試験設備でさまざまな廃棄物を投入する研究・開発を続けた。 焼却炉は800~950度でごみを燃焼させ、重金属類が残る灰は最終処分場で埋め立てるのが一般的だ。 これに対し、溶融炉は1300度以上の高温に達し、灰も溶ける。鉱物成分などからなる「スラグ」に処理できるほか、発生した溶融飛灰から精錬工場で重金属を取り出せるケースもある。ダイオキシン類も熱分解できる。 クボタ製の溶融炉は下水汚泥の処理のため79年、神戸市に初めて納入された。その後、各地の自治体へ納入されたが、汚泥をはじめとする廃棄物を減らし、衛生的に管理することが主な目的だった。 一方で、全国から注目を集めた豊島の廃棄物処理事業では衛生管理にとどまらない「循環型社会」の実現が目指された。公害調停の中間合意(97年)には産廃や汚染土壌を中間処理した後に残るスラグなどの副成物も、できる限り再生利用するという踏み込んだ考えが盛り込まれた。阿部さんらは「全国から注目が集まる現場。失敗はできない」…この記事は有料記事です。残り1782文字(全文2756文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>