飼い犬食べるヒグマ 変わる人との距離 知床、40年「奇跡的」でも

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有料記事神村正史2025年7月16日 11時00分人がゴミとして投棄したとみられる袋をくわえるヒグマ=2020年5月、北海道斜里町、知床財団提供 屋外の飼い犬を食べたり、車のミラーにかみついたり。いずれもここ10年間に、北海道の知床で際立つようになったヒグマの行動だ。7月17日で世界自然遺産登録から20年となる知床。人と野生動物との距離が明らかにおかしい。初めての白昼襲撃 2019年8月3日午後3時ごろのことだった。 羅臼町の漁師、加瀬基敏さん(46)の自宅の庭先で、2~10歳の子ども3人が遊んでいた。近くには愛犬・コロもいた。 家の中にいた家族がコロの悲鳴に近い声を耳にし、コロを捜すと、隣接する草むらの奥へヒグマの歩いた跡があった。愛犬・コロがコードネーム「RT」に襲われた場所を説明する加瀬基敏さん=2025年6月19日午後4時6分、北海道羅臼町、神村正史撮影 コロのリードをつないでいた100キロ超の土囊(どのう)袋が動いていた。リードが近くの木のあり得ない高さに巻き付いていた。 北海道猟友会中標津支部羅臼部会長の桜井憲二さん(62)らハンターが辺りを調べると、まさにヒグマがコロを食べているところだった。 このヒグマは、関係者に「RT」と呼ばれていた。RTは18~21年に羅臼町で屋外の飼い犬8匹を次々に殺傷し、ほとんどの場合で食べていた。コードネーム「RT」の頭骨と、保管している桜井憲二さん=2025年6月20日午後1時19分、北海道羅臼町、神村正史撮影 コロのケースは、初めての白昼の襲撃だったことから、「行動がエスカレートしてきた」として関係者を緊張させた。 それから3年後の22年7月、箱わなにオスのヒグマがかかり、駆除された。DNA鑑定の結果、RTだった。記者の目の前で立ち上がってレンタカーのドアミラーをかじるヒグマ=2022年5月16日午後3時51分、北海道斜里町、神村正史撮影改正自然公園法が施行され、知床国立公園で、ヒグマに著しく接近する行為は違法となりました。しかし、危険事例はその後も繰り返されています。このままでは、知床でヒグマが一般人を襲うのは、時間の問題なのかもしれません。 車にかみつくヒグマは記者の目の前に現れた。 22年5月16日午後3時5…【はじめるなら今】記事読み放題のスタンダードコース1カ月間無料+さらに5カ月間月額200円!詳しくはこちらこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ7月16日 (水)銀行情報を不正持ち出し日産 追浜工場で車両生産終了3歳女児の放置死から5年7月15日 (火)自公、過半数は困難かインスタアカウント削除命令東海道新幹線が豪雨対策7月14日 (月)胎児減らす手術 進む臨床研究夏の国内宿泊旅費 過去最高比例 主戦場はショート動画7月13日 (日)楽天 ふるさと納税めぐり提訴ネット証券、半額補償を検討略称「民主党」 また同じにトップニューストップページへ「日本は分岐点」欧州研究者が懸念、排斥の声に穏健保守が崩れるとき5:00「報われない生活は」「不安」「納税してるのに」 外国人政策に思う5:00【更新中】ドジャース大谷翔平、1番DHで球宴に 初回に安打「いい時間だった」10:54飼い犬食べるヒグマ 変わる人との距離 知床、40年「奇跡的」でも11:00基地の街で育った10代後半 声が上げられない背景にある沖縄の貧困11:00「お手紙ごっこ」につづられた娘の心、母の後悔 その日は突然に10:00