年間200万個売れる「おにぎりの桃太郎」 米高騰の難局、選んだ道

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毎日新聞 2025/7/19 10:15(最終更新 7/19 10:15) 1285文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷「おにぎりの桃太郎」の上田耕平社長=四日市市久保田のおにぎりの桃太郎久保田本店で2025年7月4日午前9時3分、長谷山寧音撮影 「令和の米騒動」とも言われる米価格の高騰。米穀店など小売業者はつらいが、そう簡単に販売価格に転嫁できない飲食店や弁当店もまた苦しい。民間信用調査会社の帝国データバンクによると、2025年1~5月に倒産した弁当店は既に24年1年間を上回る22件(負債1000万円以上)。そんな今、あの有名店がどう対応しているか気になった。三重県四日市市に本社を置く「おにぎりの桃太郎」である。 「地元で50年も商売をさせてもらってきたのだから、地元の人たちに安心安全なものを販売していく使命がある。質の良いものを、少なくともコンビニと同じ程度の価格で」。四日市市久保田の本社を訪ねると、上田耕平社長(44)が明るい表情で取材に応じてくれた。Advertisement「おにぎりの桃太郎」のシンボル・桃太郎人形。昨夏故障したが、最近復旧した=同社のホームページから おにぎりの桃太郎は四日市市(14店)を中心に県内に16店舗を展開。各店では常時20種類以上のおにぎりを用意し、1日約3000人の客でにぎわう。年間200万個が売れ、売り上げは約7億円に上る。本社屋上の「桃」が1日5回、パカッと割れて登場する桃太郎人形がシンボル。バラエティー番組で紹介されたこともある。 昨年夏、上田社長は名古屋の米農家から一本の電話を受けた。既に「今年(24年)の米が底をついている」というのだ。同社が県内大手米穀専門商社を通じてその農家から仕入れているのは年間200トンの「結びの神」。県農業研究所が12年の歳月をかけて2012年に誕生した高級ブランド米である。 不穏な予感は当たった。同店のおにぎりは昨年10月時点で1個120~240円。だが、米の価格はあっという間に上がり、コンビニ各社に追随する形で11月と12月の2度、値上げに踏み切った。上げ幅は2回で最大30円になった。 社内では「客が離れてしまう」と反対の声が強かった。しかし「これまでのもうけが帳消しになっても」との思いで、客が離れないであろうギリギリの価格を探った。 3月には政府による備蓄米の放出が始まり、古い米で作った120円の商品を「ビンテージ米おにぎり」として売るコンビニも出てきた。桃太郎も「質」か「価格」かの瀬戸際に立たされた。 選んだのはもちろん「質」。実は今年、専門商社を通さず、6戸の農家と直接契約を結んだ。通常の2倍近い値段で買い付け、たとえ値下がりしても約束の価格を支払うという内容。おかげで質の良い米を調達できている。 弁当を減らして利益率の高いおにぎりの販売に全力を傾注するなど知恵も絞った。その結果、今年は値上げせず、なんとか利益も出せている。顧客が「この危機なら仕方ない」と理解してくれているのも大きいという。 米価格の高騰については、生産者と消費者など立場によって受け止めが異なる。小泉進次郎農相主導の備蓄米放出が参院選にどのような影響を与えるのか注目されている。 「30年前の米の価格は今と同じくらいだった。これぐらいでないと農家さんも稼げない」と上田社長。農家との関係が深まったことで今の価格こそ適正なのでは、と感じるようになったという。「今回の米不足で強くなれた。今後もおにぎりを通じて米の良さを伝えたい」【長谷山寧音】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>