避難所でも「役所の人」、自宅は全壊なのに 地震1年で職員1割超減

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有料記事石川幸夫2025年8月28日 11時01分 「24時間、連続勤務の状態だった」。昨年1月に起きた能登半島地震で、大きな被害を受けた石川県珠洲市の金田直之副市長(68)は、被災直後の庁内の様子を、そう振り返る。 初詣をすませ、妻と海岸を歩いていたとき、地震に襲われた。自宅は全壊し、暗がりの中を携帯電話のライトを頼りに、寸断された道を2時間以上かけ、市役所にたどり着いた。能登半島地震で崩れた家々を見つめる男性=2024年1月3日、石川県珠洲市、林敏行撮影 ロビーには数百人の住民が避難しており、すでに駆けつけていた職員は、問い合わせの電話に追われていた。 「支援物資は足りるだろうか」「避難所での感染症対策も必要だ」。やるべきことが多すぎて、どのような指示を出したのか思い出せないほど、目の回る忙しさだった。 自治体の応援職員やボランティアが来ると、業務の調整にも追われた。3日目からは朝と夜に合同で会議を開き、持ち寄った情報を総合して、役割を決めていった。 疲労がピークに達したのは、発生から10日経ったころ。職員と同じように市役所で寝泊まりを続けていたが、体調を崩して入院。しかし、「やらなければいけないことがたくさんある」と、1日で戻った。 庁舎内では、机に突っ伏したり、椅子に座ったりしたまま眠る職員が増えていった。「早く帰って休んでくれ」と声をかけたが、ほとんどが被災している。 「自分もそうだったが、帰る家がないのは苦しい」。自宅に戻れても、断水や停電が続き、体を休められる状態ではなかった。珠洲市の金田直之副市長。今も仮設住宅から市役所に通っている=2025年6月18日、石川県珠洲市、石川幸夫撮影 珠洲市は昨年9月の豪雨でも大きな被害を受け、災害対応の業務はさらに積み重なった。 地震前の2023年4月、職員は408人いたが、今年4月時点で353人に減った。この間、新たに24人採用した一方、76人が自己都合退職した。全員に確認していないものの、「家庭の事情」という理由が多かったという。 職員の心身の健康を、どうす…【U30応援割】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら3カ月間月額99円!詳しくはこちら能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。地震をめぐる最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ8月28日 (木)総裁選要求は「記名必須」に三菱商事が洋上風力発電撤退「特別ビザ」誤情報で混乱8月27日 (水)投票見返りに報酬約束の疑い日産GT-Rが生産終了火山灰で新宿が暗闇に8月26日 (火)元顧問の遺族に直接謝罪首脳会談の調整中も空爆激増スマホ「1日2時間以内」8月25日 (月)ガソリン減税の代わりに新税?海自護衛艦 中国領海に誤侵入火球、日本周辺で最大規模トップニューストップページへ赤沢氏の訪米中止に 関税合意の詳細確かめる予定が「調整必要」11:23資材置き場に置かれたビニール袋から数人分の人骨か 神奈川県愛川町11:13上越新幹線でモバイルバッテリーから煙 乗客1人が手に軽いやけどか10:25ボクシング代表に初の性別検査 「リスクしかない」連盟会長の危機感8:00たまごっち1億個突破、発売から29年 かつてのファンの人気再燃10:36「マルコ・ポーロ」の録画ビデオ求め大冒険 NHK再放送の舞台裏9:00