有料記事大滝哲彰2025年8月26日 9時30分事務所に置いた自作の本に目を落とす野口善国弁護士=神戸市、大滝哲彰撮影 この世に2冊しかない本がある。「野口家原爆の記録」という、手作りの本だ。書いたのは野口善国弁護士(79)=兵庫県弁護士会。神戸連続児童殺傷事件など多くの少年事件を弁護してきたことで知られ、一方で、原爆症に苦しむ人たちにも寄り添う。原点には、父の願いがあった。 広島への原爆投下から80年となった6日。野口弁護士は亡き親族を思い、今年も自作の「本」を開いた。 今から29年前、1996年に完成させた。全約40ページ。冒頭の手書きの原稿はこう始まる。「昨年六月、父が亡くなりました。私どもの代々の墓は松山にありました」 父が逝ったのは95年6月。寡黙な人で、銀行員として家庭をかえりみずに働いた。骨からたどった父と広島のつながり 晩年は認知症を患った。死の半年ほど前、神戸市の自宅で阪神・淡路大震災を経験した。テレビに映った火災の映像を見た父が、ふと言った。 「新型爆弾が落とされた」 父の死後、親族の墓を神戸に…戦後80年第2次世界大戦では、日本人だけでも300万人以上が犠牲になったと言われています。戦後80年となる今年、あの時代を振り返る意義とは何か。全国各地のニュースをまとめています。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ8月26日 (火)元顧問の遺族に直接謝罪首脳会談の調整中も空爆激増スマホ「1日2時間以内」8月25日 (月)ガソリン減税の代わりに新税?海自護衛艦 中国領海に誤侵入火球、日本周辺で最大規模8月24日 (日)異例の日本重視 日韓首脳会談台湾 「原発再稼働」が否決夏の甲子園 沖縄尚学が初優勝8月23日 (土)スパコン開発 狙わぬ速度1位TICAD9、閉幕クマへ発砲 市街地でも可能にトップニューストップページへ「2等市民扱いにうんざり」 欧州で右派ポピュリスト政党が躍進9:42教員が娘に性暴力、母が感じた「口止め」 学校の対応に尽きない疑問7:00アフリカの「ホームタウン」認定で「事実と異なる情報」 各市が声明23:36米韓首脳会談、国益よりも思惑 政治的野心の先、狭まる日本の戦略8:43原発立地・福井の振興に年50億円拠出 関電が発表、使途は非公表7:00スマホ一つで銀行・証券・保険 三井住友、10年かけ実ったオリーブ7:00