夜、走る汽車の屋根の上で 14歳が書き残した旧満州 逃避行の記憶

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有料記事新谷千布美2025年8月28日 6時00分阿古智子さんのコメント大場昭蔵さんが14歳のときに書いた敗戦直後の日記=2025年7月8日、札幌市清田区、新谷千布美撮影 終戦から1年後の1946年8月、中国東北部。14歳の少年はやっと日本への帰路についた。 汽車の屋根に上り、思いをつづった。 《上を見れば何万何千と無数の星がちらばっている。風は前方からビュウビュウ吹いてくる。空は真っ暗に。その時の気持ち、僕はなんにも考えないで前を見た》 ◇ 1944年、大場昭蔵さん(93)=札幌市=一家は山形県から旧満州へ渡った。農業移民を進める国策「満蒙開拓青少年義勇軍」の一員だった兄を追って、三河(さんが)地方(現・中国内モンゴル自治区フルンボイル市)に入植した。父が旧満州で1944年12月に描いた絵。防寒具をまとった当時4歳の妹と愛犬が描かれている=札幌市、新谷千布美撮影 45年8月9日。ソ連が、中立条約を破棄し攻撃を始める。敵弾を避け、一家は避難。日中は隠れ、夜に進んだ。開拓団員と町の住人に、警察隊や一部の兵隊も合流し、避難者は400人を超えた。 敗戦を告げる玉音放送も知るよしがない。 行く手には東西200キロを超える大興安嶺山脈がそびえていた。その間、父はずっと『日記』を書いていた。 『8月17日 午後3時頃敵機の空爆を受け、2人軽微なる傷。1時間位でまた1機来たる、空爆被害無し。夜中行軍す』 『8月22日 湿地、湿地、河また河、20キロぐらいの行軍』 『8月31日 各部隊に廃馬…【U30応援割】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら3カ月間月額99円!詳しくはこちら戦後80年第2次世界大戦では、日本人だけでも300万人以上が犠牲になったと言われています。戦後80年となる今年、あの時代を振り返る意義とは何か。全国各地のニュースをまとめています。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ8月28日 (木)総裁選要求は「記名必須」に三菱商事が洋上風力発電撤退「特別ビザ」誤情報で混乱8月27日 (水)投票見返りに報酬約束の疑い日産GT-Rが生産終了火山灰で新宿が暗闇に8月26日 (火)元顧問の遺族に直接謝罪首脳会談の調整中も空爆激増スマホ「1日2時間以内」8月25日 (月)ガソリン減税の代わりに新税?海自護衛艦 中国領海に誤侵入火球、日本周辺で最大規模トップニューストップページへ沈黙する議員が握る政権の行方 自民総裁選「前倒し」要求に派閥の影22:13「本社指示に逆らえず」投票呼びかけか、パチンコ店長 選挙違反事件6:00切り札だった洋上風力発電 三菱商事の撤退に経産相「期待を裏切る」20:00ミサ中の教会で銃撃、8歳と10歳が死亡 17人けが、米ミネソタ州3:32「隠れ介護」で離職も 同僚にしわ寄せいかぬよう新制度相次ぐ6:00作家が新潮社に契約解消を申し入れへ コラム問題めぐり「絶望した」19:10