「人権弾圧へ抵抗を」 チベット亡命政府首相選、東京から投じた意思

Wait 5 sec.

毎日新聞 2026/2/23 09:15(最終更新 2/23 09:15) 1907文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷グリーンブックで選挙権があることを確認し、投票用紙と引き換えに手に投票済みマークをつける地区選挙委員会のチベット人=東京都新宿区のダライ・ラマ法王日本代表部事務所で2026年2月1日(ダライ・ラマ法王日本代表部事務所提供) インド北部ダラムサラに拠点を置くチベット亡命政府は、首相選挙で現職のペンパ・ツェリン氏が再選を果たしたと発表した。予備選挙で60%以上の票を獲得し、最終投票を待たずに当選が決まった。決定は2月13日で、任期は5年。 予備選挙の投票日だった1日、東京都新宿区のダライ・ラマ法王日本代表部事務所には、真剣な表情で票を投じる人の姿があった。亡命政府の首相選挙と亡命議会の議員選挙は5年に1度、同時に実施される。難民となって世界各地に離散した状況下、投票所は26カ国計309カ所に及び、うち1カ所が東京だった。Advertisement 同事務所のアリヤ・ツェワン・ギャルポ代表は「民主主義を体現する、公正で公平な選挙を私たちが実行すること自体が、チベットで続く人権弾圧への抵抗になる」と意義を強調する。この日、同事務所では44人が投票。小原カルデンさん(52)は「デモクラシーはダライ・ラマ法王から賜った宝物。思想を理由に迫害されることなく政治的な意思表示ができる大切さを、声を大にして伝えたい」と、投票する自分の姿をSNSに投稿した。投票箱の前で投票用紙とグリーンブックを示すアリヤ・ツェワン・ギャルポ代表=東京都新宿区のダライ・ラマ法王日本代表部事務所で2026年2月1日(ダライ・ラマ法王日本代表部事務所提供) 選挙権があるのは、亡命政府に一定額以上の寄付金を納め、納税証明兼選挙人名簿登録証明に相当する「グリーンブック」の交付を受けた18歳以上。亡命政府によると、今回の選挙の登録者は約9万1000人。日本在住の登録者は59人で、ほとんどがインドやネパールで育ち、結婚や留学で来日した難民2世、3世だ。チベット出身者は、亡命政府と接点を持つと中国の国家分裂罪や反スパイ法違反に問われ、故郷の家族や自身の帰郷時に身に危険が及ぶ可能性があり、投票は現実的でない。 亡命政府首相の直接選挙は4回目。1951年までチベットは政教一致の統治体制で、政治と宗教の最高指導者だったダライ・ラマ14世は、チベット動乱(59年)でインド亡命後、90年代から亡命政権の段階的な議会民主制移行を図る。2011年に政治的引退を表明して首相に政治的権限を委譲し、同年実施された初の直接選挙で、政治のトップを務める首相が誕生した。 選挙制度には独特のチベットらしさが反映されている。予備選挙で有権者は、望ましいと考える人の名前を自由記述式で「推薦(ノミネート)」する。予備選挙に先立ち、我と思う人はネット上で自らをアピールしたり、誰がふさわしいかを論じ合ったりしており、誰の名前を書いてもよく、自分に票を投じてもいい。「他薦」が可能な選挙なのだ。亡命政府の選挙委員会は、約3週間かけて世界各地の投票結果を精査し、首相選挙については得票数の多い2候補に絞り込む予定だったが、総投票数の6割以上を獲得した場合は最終選挙なしで当選が決まる規定があり、現職の再選が確定した。 亡命議会は1院制で、定数は45人。インド在住者には選挙区の代わりに地域(出身地)代表や宗教代表の定数が設けられ、インド以外に住むチベット人は、欧州、北米などの選挙区に投票する。前々回(16年)の議会選挙で「インドとブータンを除くアジア・オセアニア」選挙区(定数1)=日本、台湾、韓国、フィリピン、オーストラリア=が新設され、議員1人が選ばれている。選挙事務の手続き確認をする地区選挙委員会の在日チベット人ら=東京都新宿区のダライ・ラマ法王日本代表部事務所で2026年2月1日(ダライ・ラマ法王日本代表部事務所提供) 選挙事務のため、日本ではアリヤ代表を委員長とする地区選挙委員会に、役員8人を在日チベット人の互選で選出。うち3人は投票と開票の公平を担保する立会人で、全員が無報酬のボランティアだ。早朝からの準備、長時間の投票立ち会い、翌日の開票作業など負担は大きいが、立会人に選ばれたレストラン経営、ロサン・イシさん(55)は「店の営業と掛け持ちで忙しかったけれど、チベットのために貢献できる、責任ある役目を果たせた」と話した。 国内の投票所は東京のみで、郵便での不在者投票や電子投票の仕組みもないため、地方在住者は当日、自身が上京しなくてはならない。名古屋市の契約社員、ツェリン・ドルジェさん(51)は今回、予備選挙の投票を見送った。「家族の看護も重なり、最終選挙には必ず行こうと優先順位をつけた」と説明する。「議員選挙は、チベット人が2500人住むオーストラリアと同一選挙区だと、日本や台湾から議員が選出される見込みはほぼなくて残念。日本から国際社会に発言できる機会は多いと思う」 人権団体の代表を務める関係で、国会に陳情したり、地元衆院議員から中国の領土問題に関する政治集会に招かれたりして、日本の政治も身近になった。折しも、予備選挙は日本の衆院選の真っ最中。つじ立ち、地区集会、街頭演説など、選挙区に密着する選挙運動を目にすると、統治する土地を持たないチベット亡命政府との差に「国がない、という現実を感じる」とつぶやいた。【藤田祐子】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>