警察庁長官が危機感「あるべき姿取り戻す」 検証受け臨時の全国会議

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編集委員・吉田伸八2025年9月5日 10時13分 警察庁は5日、臨時の全国警察本部長会議を東京都内で開いた。警視庁公安部による大川原化工機の冤罪(えんざい)事件の捜査と、ストーカー被害を相談していた川崎市の女性が殺害された事件で、検証結果が相次いでまとまり、捜査や対応の問題点と再発防止策が示されたことを受けた対応で、臨時の本部長会議は異例という。臨時の全国警察本部長会議で訓示する警察庁の楠芳伸長官=2025年9月5日午前9時8分、東京都千代田区、板倉大地撮影 会議には、本部長と警察庁の幹部ら約90人が出席。楠芳伸・警察庁長官は「警察の現状についての危機意識を共有し、警察に対する信頼回復にむけた取り組みを強化するため急きょ開催した」と述べ、緻密(ちみつ)で適正な捜査とストーカーなど人身安全関連事案への適切な対応を指示した。人身安全関連事案の対応では、署と本部、生活安全部門と刑事部門が連携して対処する体制が整っているか、本部長自ら確認するよう求めた。臨時の全国警察本部長会議に出席した神奈川県警の和田薫本部長(中央)=2025年9月5日午前8時52分、東京都千代田区、板倉大地撮影 楠長官は、二つの事案に共通する背景として「警察活動のあるべき姿への認識が希薄化し、当然行うべきことが行われていなかった」と指摘。他にも不祥事が相次いでおり「根源的な問題として、組織の規律自体が目に見えないうちに少しずつ緩んでいるのではないかと強く懸念している」と危機感を表明した。滋賀で賠償判決、福井では無罪も 埼玉県桶川市で女性が殺されたストーカー事件や神奈川県警の覚醒剤隠蔽(いんぺい)事件などの不祥事を受けて、2000年から「国民のための警察」を掲げた警察改革が行われたことを紹介。「警察改革が始まってから四半世紀が過ぎたが、2件の事案に共通する問題は、長年取り組んできた警察改革の精神が形骸化しつつあることを示している。今こそ、警察のあるべき姿を取り戻す必要がある」と訴えた。臨時の全国警察本部長会議であいさつする坂井学・国家公安委員長=2025年9月5日午前9時5分、東京都千代田区、板倉大地撮影 また、滋賀県の病院での患者死亡をめぐる訴訟で捜査の違法性を認定し賠償を命じる判決が出たことや、39年前に福井市で女子中学生が殺された事件で再審無罪判決が確定したことも取り上げ、本部長ら幹部による適切な捜査指揮などを指示した。臨時の全国警察本部長会議で訓示する警察庁の楠芳伸長官=2025年9月5日午前9時7分、東京都千代田区、板倉大地撮影 臨時の本部長会議は、国政選挙の違反取り締まりの関係を除くと、安倍晋三元首相銃撃事件を受けて要人警護の仕組みが大きく見直されたのに伴い22年9月に開かれて以来という。【U30応援割】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら3カ月間月額99円!詳しくはこちらこの記事を書いた人吉田伸八編集委員|警察庁担当専門・関心分野警察行政、事件、犯罪こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月5日 (金)ストーカー殺人 県警が謝罪自転車に「青切符」 周知へ夫婦ペアローン、4割「後悔」9月4日 (木)中国軍事パレード、結束強調新浪氏「時差ぼけ」対策主張「クローム」の分割は求めず9月3日 (水)サントリーHD新浪会長が辞任自民党四役が辞意表明今年のサンマ、太って立派9月2日 (火)今年の夏、史上最も暑かった田久保市長の不信任案可決政府がAI戦略本部を設置トップニューストップページへ台風15号、和歌山県北部に上陸 台風から離れた地域でも大雨の恐れ9:01警察庁長官が危機感「あるべき姿取り戻す」 検証受け臨時の全国会議10:13中国軍事パレード出席の野党元主席に処罰も 台湾、厳しい対応の背景7:0020年連続ランキング1位は石川県の私立大、「面倒見の良さ」とは6:00ディープな高円寺駅ガード下、再開発に困惑の店舗 撤回求める運動も7:00将来世代が引き継ぐ「ひめゆり」の戦争体験 戦後生まれの館長の思い7:30