経営者イノベーション委員会経済最新記事毎日新聞 2026/4/7 08:01(最終更新 4/7 08:01) 2025文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷会場となった神田明神の本殿前で記念撮影する第2回経営者イノベーション・ラウンドテーブルの参加者=東京都千代田区で2025年8月、AA creative works撮影 「変わらなければ、衰退する」――。1300年の歴史が息づく神田明神。その静謐な空間で、日本の未来をめぐる熱い議論が交わされた。産官学のトップリーダーたちが共有した強烈な危機感の先に見えた、日本の構造的課題とは。再生への処方箋として浮上した「エコシステム戦略」の可能性を探る。伝統と革新の地で問われたリーダーの「覚悟」 2025年8月4日、第2回「経営者イノベーション・ラウンドテーブル」の舞台に選ばれたのは、第1回と同じ東京・千代田区の神田明神。モデレーターを務めた一般社団法人Japan Innovation Network(ジャパン・イノベーション・ネットワーク、以下JIN)の代表理事(開催時)の紺野登氏は、冒頭で「経営者イノベーション委員会(EIC)」の設立を宣言。「世界が社会・技術・経済・環境・政治の全てで危機に直面する今こそ、産官学民が垣根を越えて日本の進むべき道を提言する場が必要だ」と力強く訴えた。Advertisement その言葉に応じるように、来賓の経済産業省の菊川人吾氏、文部科学省の生田知子氏からも、切実な現状認識が示される。「海外からの投資や人材獲得への関心は高いが、国内の制度やルールが変化に追いついていない」(菊川氏)。「大学が持つ『知』のポテンシャルをいかに社会実装に繋げるかが鍵だ」(生田氏)。会場を提供した清水祥彦宮司は「1300年の歴史の中で、常に時代に合わせて自らを変革させてきた。伝統を守りながら革新を続けることが重要」と語り、この「経営者イノベーション・ラウンドテーブル」の意義を象徴した。 ビデオメッセージで参加したEICエグゼクティブアドバイザーの小宮山宏氏の言葉は、さらに辛辣(しんらつ)だ。「産官学連携は何十年も言われ続けてきた。大事なのは議論ではなく、本当に『やること』だ」――。もはや言葉だけの改革に時間はない。リーダーたちの「覚悟」が、今まさに問われている。「やってるふり症候群」の蔓延 浮き彫りになった日本の現在地第2回経営者イノベーション・ラウンドテーブルで、経営者イノベーション委員会設立などについて説明するJapan Innovation Network代表理事(開催時)の紺野登氏(左奥)と、ファシリテーターを務めるSUNDRED代表取締役の留目真伸氏(右奥)=東京都千代田区で2025年8月、AA creative works撮影 テーマ1の「変革はリーダーから始まる『産官学リーダーの覚悟と行動』」のセッションでは、リーダーシップの役割に焦点が当てられた。多くの経営者から、「短期的な株主からの圧力に屈せず、長期的な視点でイノベーションに投資する『覚悟』が必要」との声が上がった。一方、EIC事務局の東浦亮典氏からは、現場の「イノベーション疲れ」や、実証実験(PoC)ばかりで事業化に至らない「やってるふり症候群」という言葉は、多くの参加者に重く響いた。「短期的な株主からの圧力に屈せず、長期的な視点で投資する『覚悟』が必要だ」という声も上がるが、トップのコミットメントが口先だけで、組織の隅々まで浸透していない現実が浮き彫りとなった。 テーマ2の「イノベーションなき国の行方『変わらなければ、衰退』」のセッションでは、日本の「現在地」が容赦なくえぐり出された。スイスのビジネススクールIMDの世界競争力ランキングで、日本が過去最低の35位に後退した事実を前に、参加者からは自己批判的な意見が相次ぐ。「横並び意識が強く、リスクを取れない」「意思決定のスピードが遅すぎる」「世界を本気で取りに行く野心(グローバル・アンビション)が足りない」 なぜ、日本は停滞から抜け出せないのか。多くのテーブルで共通の課題として認識されたのが、個別の高い技術力を組み合わせ、社会課題解決の大きなシナリオを描く「デザイン力(構想力)」の欠如だった。処方箋は「エコシステム戦略」だが、誰が全体をデザインするのか?第2回経営者イノベーション・ラウンドテーブルで、積極的に意見を交わす参加者たち=東京都千代田区で2025年8月、AA creative works撮影 テーマ3の「競争から価値創造へ『エコシステム戦略』」のセッションでは、GAFAのような巨大プラットフォーマーが支配する現代において、単一企業での自前主義はもはや限界。議論の末に導き出された結論は、業界や企業の垣根を越えて連携する「エコシステム戦略」が不可欠であるというものだった。 しかし、ここでも「デザイン力」の不在が壁となる。水素社会のような新産業を創出するには、部品メーカーと自動車メーカーのようなプレイヤーが水平連携する必要がある。だが、「誰がその全体像をデザインするのか?」というリーダーシップの不在が、最大の隘路(あいろ)として指摘されたのだ。「どの領域で協調し、どの領域で競争するのか」。その戦略的な切り分けを描く司令塔がいないのである。 議論を総括した紺野氏は、「本日出た課題はすべてつながっている」と語り、リーダーたちに個社の利益を超えた「発信力」を求めた。 このラウンドテーブルは、単なる議論の場ではない。「日本型のイノベーション・エコシステム」をいかに構築していくか。具体的な政策提言や共同プロジェクトへとつなげるための、力強いスタート地点だ。神田明神の伝統が象徴するように、革新は歴史の延長線上にある。伝統の地で交わされた危機感と熱意は、日本の未来をデザインする、新たな意志ののろしとなるだろう。【次の記事】エコシステム戦略なき企業に未来はない 「IM Lab」始動【前の記事】紺野登氏、欧州ドラッカー協会シニアフェローに就任 「ネクスト・マネジメント」への期待と議論関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>