2026年4月6日 15時04分(2026年4月6日 18時06分更新)有料記事黒田早織 米田優人 松田果穂大川原化工機冤罪(えんざい)事件をめぐる提訴のため、東京地裁に入る原告と代理人弁護士ら。中央で書類を手にしているのが亡くなった相嶋静夫さんの長男=2026年4月6日午後1時58分、東京・霞が関、黒田早織撮影 逮捕や勾留を認め、保釈請求を退け続けた裁判官37人の判断は違法だ――。機械メーカー「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件で、勾留中に亡くなった同社元顧問の遺族がこう主張し、6日に東京地裁に提訴した。身体拘束に関する裁判官の判断が問われる異例の訴訟に、裁判所はどう対応するのか。 「がんが分かってからも保釈の却下が続き、夫は『これでも人間なのかねえ』と、絶望の中で一言つぶやきました。裁判官に、保釈請求を退けた理由を聞きたい」 6日午後の会見で、勾留中に胃がんが判明して亡くなった相嶋静夫さん(当時72)の妻はこう語った。 相嶋さんは2020年、軍事転用可能な機器の不正輸出の疑いで同社社長ら2人とともに逮捕された。東京地裁に計8回、保釈を求めたが、胃がんが判明しても「証拠隠滅のおそれ」を理由に退けられ、21年2月に入院先で死亡した。後に社長ら2人の起訴は取り消された。 遺族らが問題視するのは、裁判所が「沈黙」を貫いていることだ。 東京高裁は昨年5月、一連の捜査が違法だったと認め、都(警視庁)と国(東京地検)に計約1億6600万円の賠償を命じた。警視庁や警察庁、最高検は8月に捜査の検証報告書を公表。警視庁や検察の各幹部が相嶋さんの遺族に謝罪した。一方、裁判所は身体拘束を認めた判断を検証していない。 相嶋さんの長男は会見で、こう指摘した。「裁判所だけ、ミスがあれば検証して次につなげる『PDCAサイクル』が回っていない。私たちが声を上げなかったら同じことが繰り返される」 今回の提訴では、不正輸出の容疑や逃亡や証拠隠滅のおそれもないと認識できたのに、身体拘束を認めた裁判官計37人の判断は違法だとして、約1億7千万円の賠償を国に求めた。 提訴に対し、東京地裁の後藤健所長は「具体的な事件についてのコメントは差し控える」とした。 有罪が確定する前なのに長期間、身体拘束が続く現状は「人質司法」などと批判される。 今回は裁判官の判断自体を問う訴訟だが、身体拘束の根拠となる刑事訴訟法の規定が違憲だとする別の訴訟も、東京地裁で続いている。被告の国は「適正に刑事裁判を運営して国家刑罰権を行使するための規定であり、違憲ではない」と反論している。最高裁が示した高いハードル 大川原化工機冤罪に関する検…【スタンダードコース|デジタルのみ】今なら4カ月間月額200円で読み放題/再入会は500円!詳しくはこちら【ダブルコース半年割|宅配購読者限定】今だけ超特価!はじめの4カ月間は月額100円!詳しくはこちらこの記事を書いた人黒田早織東京社会部|裁判担当専門・関心分野司法、在日外国人、ジェンダー、精神医療・ケア米田優人東京社会部|最高裁専門・関心分野司法、刑事政策、消費者問題関連トピック・ジャンルこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ4月6日 (月)検察の不服申し立て 制限検討イランで撃墜された米兵救出国民民主、地方議員を倍増へ4月5日 (日)日本関係船2隻 ホルムズ通過イランが米戦闘機を撃墜水道料金、全国で最大2倍の差4月4日 (土)成年後見 「終身」やめる改正案トランプ氏、司法長官を更迭広島の原爆資料館 入館最多4月3日 (金)トランプ氏「誤算」あらわに月をめざし有人ロケット発射納豆の輸出「爆発的な伸び」トップニューストップページへ石油巡り与党も注文、高市首相「必要量を確保」 追加対策は明言せず16:22商船三井系LPG船がホルムズ海峡を通過 日本関係の船で3隻目17:55福島氏が社民党党首に再選、問われる党勢回復 大椿氏が抗議の場面も16:46タクシー運転手が乗客の手術に同意? 「サインするから」病院は困惑8:00区民以外3千円、利用料の「二重価格」 桜の名所・千鳥ケ淵のボート17:00京都の男児行方不明から2週間「神隠しのよう」 手がかり乏しいまま17:58