毎日新聞 2026/3/31 06:02(最終更新 3/31 06:02) 2660文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷笑顔で語り合う(右から)藤井聡太名人、西山朋佳白玲、藤沢里菜女流本因坊、一力遼本因坊=東京都渋谷区で2026年3月3日、内藤絵美撮影 将棋界と囲碁界のトップ棋士、藤井聡太名人(23)と西山朋佳白玲(30)、一力遼本因坊(28)と藤沢里菜女流本因坊(27)による座談会。歴史あるタイトルへの重みや女性棋士の活躍など、過去から現代へと続くエピソードが飛び出した。名人と本因坊「特別な重み」 ――将棋の名人、囲碁の本因坊はそれぞれのタイトルで最も長い歴史があります。保持者である藤井さんと一力さんはその歴史や重みをどのように感じていらっしゃいますか。Advertisement座談会で質問に答える藤井聡太名人=東京都渋谷区で2026年3月3日、内藤絵美撮影 藤井 私がAIを活用するようになったのは10年ほど前ですが、それ以前は、羽生善治九段や大山康晴十五世名人の棋譜を並べて勉強することが多くありました。今の将棋界は先人の積み重ねの上にあります。先人たちから学びつつ、AIなどの新しい感覚を取り入れて、より良い将棋、優れた棋譜を残していきたいです。名人は江戸時代から数百年にわたって続く称号ですので、象徴的な意味があり、それを名乗ることは特別な重みがあります。名人にふさわしい将棋を指したい気持ちはありますが、どういう将棋がふさわしいのかというと答えがあるわけではありません。自分自身が強くなることを目指した先にあるのではないかと思っています。 一力 本因坊という名前も、将棋の名人と同様に400年以上の歴史があります。非常に重みと伝統のあるタイトルです。AIの出現によって囲碁の布石はガラリと変わりましたが、興味深いことに、本因坊道策や本因坊秀策といった江戸時代の名棋士が打っていた布石の手が、AIによって高く評価される場面が多々あります。先人のすごさと囲碁の奥深さを感じています。本因坊にふさわしい戦いをしたい気持ちはありますが、まだまだ先人の域に達していないと感じますので、日々努力していきたいです。 ――江戸時代の布石のどの部分が評価されているのでしょうか。 一力 例えば「秀策のコスミ」は今のAIも高く評価していますし、現代の棋士も多く取り入れています。現代の定石だと思っていた手が実は数百年前に打たれていたというのが、囲碁ではよくあります。 藤井 将棋の場合、定跡に関しては江戸時代とは大きく変わっています。江戸時代の将棋は序盤お互い万全な囲いを組んで、そこから戦いが始まるという将棋が多かったんですが、現代の将棋は非常にスピード重視で、素早く陣形を整えて隙(すき)を見つけたらそれを狙ってリードを奪いにいくのが主流です。考え方の違いはありますが、戦いが始まってからの中・終盤戦のバランス感覚や戦い方は共通しているところがあり、その点については先人の技術は非常に高いものがあると思います。女性棋士としてロールモデルに ――現在の社会と同様に、将棋・囲碁界でも女性の活躍に注目が集まっています。西山さんは女流タイトルの一つ「白玲」をあと1期獲得すれば「棋士」になることができます。ご自身の役割をどう感じていますか。にこやかに語り合う西山朋佳白玲(右)と藤沢里菜女流本因坊=東京都渋谷区で2026年3月3日、内藤絵美撮影 西山 新しい制度によって、また違った形で注目していただけるようになったと感じています。最近は女の子が将棋を始めることも増えていると聞きます。私が戦う姿や生き方が、彼女たちが将棋界に入っていく上での一つの「ロールモデル」になればいいなと思っています。編入試験などの貴重な経験やその時の心境を伝えていくことも一つの役割だと考えています。 ――藤沢さんは7大棋戦の十段戦本戦で女性初の8強入りを果たすなど、まさに道を切り開いてこられました。 藤沢 プロになった頃は女流タイトルが目標でしたが、研究会などで強い男性棋士に勝っている先輩方の姿を見て、少しずつ常識が覆されていきました。男女の若手棋戦の若鯉戦で優勝してからは、一般棋戦の本戦でもっと活躍したいという目標に変わりました。今は男性棋士を意識しすぎず、ただ自分の実力を伸ばして結果を出せるよう精進しています。ペットと遊んだり、 ――西山さんは昨年、藤沢さんは一昨年に結婚されましたが、何か変化はありましたか。 西山 藤沢さんはテレビ番組「新婚さんいらっしゃい!」にも出演されていましたよね(笑い)。(夫婦)お二人とも囲碁棋士ですが、対局で負けた後の切り替えや家での振る舞い方はどうしていますか。 藤沢 お互いありのままですね。負けてイライラしているなと思ったら放っておきます(笑い)。「じきに良くなるだろう」と。(ペットの)ワンちゃんと遊んでいると自然に笑顔になれるのでそこまで引きずらないです。西山さんはどうですか。座談会で質問に答える一力遼本因坊=東京都渋谷区で2026年3月3日、内藤絵美撮影 西山 私も同じようにペットの鳥が2羽いまして、夫と合わせて「4人」で遊ぶのがストレス解消になっています。何だかんだやっていたら負けたことも忘れちゃいますね。 一力 大きな対局で負けると、どうしてもストレスがたまってイライラしてしまいます。そういう時は一人でカラオケに行ったり、負けた日の夜にネット碁を打ったりします。負けた後は感情が高ぶって頭がさえていることが多いので、じっとしているのがしんどいんです。だからネット碁など他のことで気分を発散させるようにしています。 藤井 私は一力さんとは逆で、負けた時ほどなるべく早く寝てしまおうと思います。発散するというよりは忘れることを目指しています。勝った時も負けた時も、なるべく同じように過ごすことで、徐々に気持ちを切り替えていければという考えです。【司会は鈴木泰広・毎日新聞学芸部長、構成・武内亮】名人戦 将棋の8大タイトル戦の一つで最古の伝統を持つ。名人は江戸時代から伝わる将棋棋士の最高位の称号で、一世名人は1612年に徳川家康から俸禄(ほうろく)を受けた大橋宗桂。十三世までは終身制だったが、1935年に毎日新聞社の前身、東京日日新聞と大阪毎日新聞の主催で実力制名人戦が創設された。49年から76年までは朝日新聞社が主催、77年から再び毎日主催となり、2007年から毎日と朝日が日本将棋連盟と共に主催している。本因坊戦 囲碁の7大タイトル戦で最も歴史がある。本因坊家は安井家、井上家、林家と並ぶ江戸時代の囲碁家元で、本因坊の名は囲碁の名手として知られ織田信長らに仕えた京都・寂光寺住職、日海(初代・本因坊算砂)が住んでいた坊の名称に由来する。世襲制だったが、二十一世秀哉(しゅうさい)が引退後の1939年に東京日日新聞と日本棋院の主催で実力制の本因坊戦が始まった。第78期までは2日制七番勝負で行われ、第79期からは1日制五番勝負になった。将棋の名人戦とともに大和証券グループが特別協賛している。【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>