「ガンプラ」の“品薄”解消の切り札か!? バンダイの新工場が稼働…そもそもなぜ品薄に?

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2025.08.30乗りものニュース編集部tags: 二輪ほか, 鉄道, 静岡県静岡電鉄長沼駅前にBANDAI SPIRITSのプラモデル生産用の新工場が誕生しました。なぜ同社はこの工場を建てたのでしょうか。世界的にガンプラの需要が伸びている!? 静岡鉄道・長沼駅前にある「バンダイホビーセンター」内に、BANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)のプラモデル生産用新工場「BANDAI HOBBY CENTER PLAMO DESIGN INDUSTRIAL INSTITUTE(BHCPDII)」が誕生しました。拡大画像BHC PDII MUSEUMの建物に設置されている1/1ガンダムのランナーオブジェ(乗りものニュース編集部撮影) 同工場は2025年7月24日から一部機能を稼働しており、本格稼働は2026年度を予定しています。プラモデル製造に使用される多色成形機10台と単色成形機84台が稼働する計画で、これによりBANDAI SPIRITSのプラモデル生産能力は2023年度比で約35%の向上が見込まれています。同社がこれほど大規模な生産拠点を国内に設けた背景には、世界的な人気を誇る「ガンダムシリーズ」のプラモデル、いわゆる「ガンプラ」の品薄状態が一因となっています。 ガンプラは、2020年に発生した新型コロナウイルスの流行以降、自宅で楽しめる趣味として再注目されました。1980年代にガンプラに親しんだ世代のファンに加え、新たに趣味として始める人々が急増し、瞬く間に品薄状態となりました。その結果、大型量販店から街角の個人経営模型店に至るまで、あらゆる種類のキットが姿を消すという現象が起きました。 この状況は、1980年代の第一次ガンプラブームや、1990年代前半に人気を博した「SDガンダム BB戦士」シリーズの再来とも言われ、新商品発売時には抽選販売が行われたほか、人気キットの再販時には抽選や事前告知なしの販売など、各店舗で様々な対応が取られるようになりました。 それから約5年が経過した現在、ガンプラは徐々に店頭に並ぶようになったものの、「あるものはあるが、ないものはない」といった状況が続いています。特定の人気商品が再販される際には買い占めや転売が発生することもしばしばです。 また、ガンプラは2010年代以降、積極的に海外展開を進めており、2010年7月時点で累計出荷数4億個だったものが、2024年9月には8億個を突破。驚異的なスピードで需要が拡大していることがうかがえます。このような需要の高まりには、海外市場の成長も大きく寄与しています。 さらに同社は、ガンプラ以外にも「プラノサウルス」「30 MINUTES MISSIONS」「30 MINUTES SISTERS」など複数のプラモデルブランドを展開しており、これらの一部製品も品薄状態が続いています。 2025年8月20日に行われた工場内覧会に関連する記者会見で、榊原博代表取締役社長は新工場での生産体制について、「全体的な生産を強化する」と述べたうえで、特にガンプラに注力する方針を示しました。「世界中のプラモデルファンに、より多くの商品をお届けしたい」と意気込みを語っています。 同工場は、省人化を重視した設計となっており、AGV(無人搬送車)や天井搬送台車、自動倉庫などの設備を導入。これにより、各階間の移動を人手を使わずに行えるほか、パーツの成形から袋詰め、箱詰めに至るまでの工程を機械や産業用ロボットにより自動化し、オールインワンで対応可能となっています。 なお、今回の新工場を含め、BANDAI SPIRITSのプラモデル工場で稼働している多色成形機は、同社独自の設備です。この技術は、複数の異なる色のパーツを1枚のランナー(金型で成形されたパーツをつなぐ枠)上で製造可能で、ランナーの枚数を減らすことで箱のサイズを小さくでき、輸送効率も向上します。さらに、複数の色を同時に表現できるため、塗装をせずとも原案に近い仕上がりを再現することが可能です。 ちなみに、工場に併設されたミュージアムでは、この多色成形技術を映像や体験コーナーを通じて学ぶことができます。【すげえ設備!】これが、省人数化実現した「バンダイ脅威のメカニズム」です(画像)