「家族の歴史が詰まっている」 探し当てた8800人分の乗船名簿

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毎日新聞 2025/8/30 07:00(最終更新 8/30 07:00) 有料記事 2613文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷父木村芳勝さんら引き揚げて来た一家8人の乗船名簿を指さす三遊亭金八さん(右)=札幌市で2025年5月26日午後2時39分、本間浩昭撮影 北海道根室市にある男性が帰ってくると聞き、7月末に家を訪ねた。 男性は、歯舞(はぼまい)群島・志発(しぼつ)島の元島民2世の落語家で、東京都杉並区に住む三遊亭金八(本名・木村吉伸)さん(54)。北方領土の元島民が北海道に引き揚げた船の約8800人分の乗船名簿入手に奔走した。 「ベリベリ」。中から音がした。思わず玄関を開けようとする手が止まった。 引き戸を開けると、家族の写真をアルバムからはがす金八さんの姿があった。「家じまい」をしていた。 父芳勝さん(90)と母八重子さん(89)はいま、北海道室蘭市のグループホームに入居し、その近くに金八さんの妹が暮らしている。 根室の家は、金八さんも高校卒業まで暮らした。「家をたたんでしまえば私には帰る家がない。古里を失うというのはこういうことなのですね」 1947年に一家8人で島から樺太(からふと)(現ロシア・サハリン州)経由で引き揚げた家族の思いと重ねた。元島民の島への思い 初めて島の土を踏んだのは2002年夏。70代に近づきつつあった父に「居住地跡まで行けるようになったよ」と自由訪問への参加を促した。 芳勝さんが住んでいた当時の家は一軒も残っていなかった。「草が生えているだけの平べったい島」。これが島の第一印象だった。 木村家の母屋は坂の上にあり、戦時中に掘られた塹壕(ざんごう)の横にあったそうだ。島では父が「ここで間違いない」と指さした。玄関の引き戸のレールも見つかった。 ふと気付くと、芳勝さんはかつて家族で住んだ家の跡に棒立ちになって涙を流していた。感情を表に出さない人だと金八さんは思っていたが、父は「俺の島だなあと思うと、胸がいっぱいになった」と胸の内を明かしたという。 その晩、根室に戻る船の中で、元島民の長老が若い外交官を問い詰めていた。「おまえたちがだらしないからこんなことになるんだ」 元島民が古里への思いを語る姿を見て思った。「北方領土の返還要求運動を引き継がなければ」。北方領土にさほど興味がなかった金八さんだが、この日を境に変わった。 同時に危機感も抱いたという。島に住んだ経験がある元島民は高齢化が進んでいる。「1世がいなくなったら、どうなってしまうのだろう」見つけた乗船名簿 思いあぐねていた24年5月、引き揚げ船の乗船名簿が国立公文書館に保管されていることをインターネットで知った。元々は厚生労働省の文書だったが、16年に保存期間が満了して公文書館に移管されていた。 父芳勝さんの話から思い付くキーワードは「昭和22年秋」「函館」。これを手がかりに文書を探したが見つからなかった。問い合わせると、金八さんが探していた名簿に該当する可能性がある資料があるとの回答があった。 閲覧は簡単ではなかった。…この記事は有料記事です。残り1469文字(全文2613文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>