消えゆく「客車列車」を“延命” そのやむを得ない事情 北の「ノロッコ号」

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2025.08.31和田 稔(ライター・カメラマン)tags: DE10形(国鉄), DE15形(国鉄), JR北海道, 北海道, 観光列車, 鉄道車両全国各地で客車が姿を消す中、ひょんなことから引退を免れた車両があります。それは北海道を走る「ノロッコ号」。しかし、引退は1年先延ばしになっただけ。そこにはどのような事情があったのでしょうか。 2025年6月、JRの客車が相次いで営業運転から引退しました。寝台特急「カシオペア」などで活躍したJR東日本のE26系と、JR西日本の欧風客車14系700番代「サロンカーなにわ」です。JRからは客車の引退が続いており、客車ならではの乗り心地を味わえる機会が減っています。拡大画像後方のDE10形ディーゼル機関車はオクハテ510-1の運転操作で制御される。客車からの操作で機関車に押されるのはなかなかレア(和田稔撮影) しかし、中には列車の廃止が発表されながらも、運行期間が延長されたものもあります。JR北海道の「くしろ湿原ノロッコ号」と「富良野・美瑛ノロッコ号」です。 この二つの「ノロッコ号」は、2025年度をもって運行を終了する予定でした。代わって、新たな観光列車となる「赤い星」「青い星」が2026年4月下旬から運行を開始し、「ノロッコ号」の車両は老朽化もあって引退すると発表されていました。 ところが2025年3月19日、JR北海道の発表により事態は急転します。「赤い星」「青い星」の改造元となるキハ143形気動車について、内装材の内側に想定以上の腐食・歪みがあることが分かったのです。そして、整備に時間を要することから運行の開始時期が繰り下がりました。 同時にJR北海道は「くしろ湿原ノロッコ号」と「富良野・美瑛ノロッコ号」に対して必要な措置を施し、2026年度に限り運行を継続することも発表。各地で客車が姿を消し続ける中、こちらは運行終了の延期が宣言されたのです。これは大きな話題となりました。【次ページ】牽引する機関車は、製造から約50年が経過【写真】ディーゼル機関車を先頭にして走る「ノロッコ号」